「珍種のエイリアン」屋根裏のエイリアン odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
珍種のエイリアン
エイリアンというと画一的な怪物をイメージするが本作はそれぞれが個性的、雌雄でもめたり、地球人を皮肉ったりとユーモラス、見た目は漫画チックで「メンインブラック」に出ていそうな珍種です。
中身はお子様向けエイリアンコメディ、「ET」と「ホームアローン」を足したような展開、ただアローンでなく、いとこ同士6人の子供たち。
独立記念日のホリディに大家族で訪れた湖畔の貸別荘で小っちゃい4体のエイリアン(ジルコン星人)とドタバタ戦闘ごっこを繰り広げることに、なんといっても奇抜な攻防戦が見どころ。
ハイテクエイリアンなのだがお子様映画だから致命傷を与えるような強烈な武器はご法度、主な武器はマインドコントロールプラグ(ダーツのようなものを撃ち込まれるとゲーム機のようなリモコンで人間を意のままに操ることができる)だが何故か子供には効かない設定。いやみな青年リッキーが餌食なる、子供たちがエイリアンから奪ったコントローラでおばあちゃんとリッキーを戦わせるシーンは奇抜、杖をついていたおばあちゃんがストリートファイターばりの大変身にはキャメロン監督も脱帽だろう。無重力カプセルを使われると子供たちは天井に浮き上がる、消火器噴射でエイリアンに反撃するシーンは「ウォーリー」のオマージュか、可愛い末娘のハンナと唯一優しいエイリアン、スパークスのほっこりシーンはまさに「ET」。
エイリアンはVFXの老舗リズム&ヒューズ・スタジオが手掛けたコンピュータアニメーション、なんとJKシモンズさんが声の出演。
どうやったら子供たちが喜ぶかのあの手この手、スタッフの優しい心遣いが伝わってきます、エンドロールのあとにもおまけがあるのでお見逃しなく、童心を失っていなければ充分楽しめるファミリーコメディでした。