劇場公開日 2009年11月14日

「光のなかを行けよ」ワカラナイ ikuradonさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5光のなかを行けよ

2010年7月13日
PCから投稿

「バッシング」「愛の予感」と海外で高い評価を得る小林政広が今回描くのは、16歳の孤独な少年。プライバシーだなんだとコミュニケーションが取りづらくなった現代社会を痛烈に批判しつつ、人が人が繋がる瞬間をわずかに切り取っている。

 個人的には、行きづまったティーンを見るだけで感傷にふける年齢でもなくなったので、どこか彼(主人公)の独特な世界観に入りこめずにいたような気がする。設定や背景の説明もあまり無いので、「この少年はふどこから来てどこへ行くのだろう」と不思議なものを見るような気持ちがした。

 タイトルにもあるように、「ワカラナイ」ことはたくさんある。でもそれを見事に言い当てたタイトルはなかなかいいと思う。亮を演じる小林優斗の細い体躯から繰り出される奇妙な歩き方や捕食(食事というより捕食なので)の仕方は、なんだか見ていて飽きなかった。彼の走る姿は面白い。

 主題歌の歌詞、「光のなかを行けよ」(たぶんそう言っている)には、グっと迫ってくるものがある。

ikuradon