劇場公開日 2010年1月9日

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「次の運命のための運命」(500)日のサマー 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5次の運命のための運命

2024年11月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

萌える

彼女の名はサマー。
誰もが恋する女の子。
でも彼女は少し変わっていて……
そんなサマーに恋をしたトムの500日の物語。

「東京国際映画祭 サーチライト・ピクチャーズ設立30周年企画」にて鑑賞。
上映後にはAwesome City ClubのPORINさんを迎えたトークショーもあった。
詳しくは後述。

冒頭に「この物語はラブストーリーではない」とある。
サマーは可愛いし、最大限にキュンキュンするし、全編恋しかしていないけれど、確かにこれはただのラブストーリーで片付けてはいけない。
人生のバイブルにしたい、そんな映画だ。
運命を信じていたらサマーに出会い恋をして、夢に敗れて失意の底で苦しむトムの気持ちは痛いほど分かる。
それでも恋の痛みを乗り越えて成長したトムの姿には何だか凄く元気をもらえた。特にラストシーンが素敵で大好き。
古傷を抉ってくるような映画のはずだが、そんなにダメージは大きくなかった。それどころか応援歌だ。
確かにトム目線だから胸が苦しいけど、定期的に観たいし、観るたびに印象が変わりそうな作品だった。

サマーみたいな女の子って結構いるんじゃないかな。
自分の身の回りにも恋愛しない女子は多いし、自分の生きたいように生きる彼女みたいな生き方は実に現代的。
トークショーで触れられていたけど、公開された当時からこういう女性像を描いていたのはなかなか革新的だったと思う。
我々男子からすると女の子の考えてることって全然分からない。
でもその危うさというかミスリアスな一面が強いほど惹かれるというのもまた事実で……
個人的にサマーという女の子は、最初は特に何とも思わないけど気づいたら沼っていそうで怖い。

「ちゃんとした恋人にはなれない」
前提条件は最初に了解した上で謙虚に付き合って。
でもある日、ふとした時にその現実を突きつけられる。
彼女の好きだったところが憎しみに変わるってのもやけにリアル。
やっぱり自分じゃダメなんだよ。彼女には想う誰かがいるんだよ!
うーーーん、なんかこんな話どっかで聞いたことあるぞ???
やめましょう。

全力で恋してる時のミュージカルとか理想と現実のセパレートとか、経験者だからこそ描ける演出の数々に、「うんうん、街中でも踊り出したくなっちゃうよね」、「凄く期待しちゃうけどその通りにはならないよね」と深く共感してしまった。
音楽も多様されていてセンス抜群。
PORINさんによると音楽業界でも話題になったらしい。
音楽は記憶と共にあって自分を苦しめる武器にも自分を守る鎧にもなる。
ファッションもちょうど良い感じが好き。
ズーイー・デシャネルも可愛いけど、ジョセフ・ゴードン=レヴィットが可愛すぎてトムのことロールモデルにしたいな。
ペ○スゲームのシーン愛おしかった。

※舞台挨拶について
学生として来れる最後の東京国際映画祭。
気のせいかもしれないけど、今年は去年よりも小規模?
去年から最低一本は観ようと思っていたけど、油断してたら観れるものがほぼ無くなってしまって慌てて今作を観に行った。
しっかり平成生まれの現代人にも関わらず、現地で現金購入できるものだとばかり思っていたアホ。
スタッフさんに迷惑かけるし、30秒くらい入場遅れて、もう最悪🙇‍♂️
スタッフの方々が親切にしてくださって本当に助かった。ありがとうございました。
トークショーはサーチライトピクチャーズの方と大好きなAwesome City ClubのPORINさん。
アーティストとしてではなく、まさかの映画祭ゲストとして初対面。
いつもいつも髪色素敵だけど、新しい髪色も似合ってる。
まあそんなことはいいとして、出演されていた『花束みたいな恋をした』の話なんかも聞けて良かった。
来年からは社会人。
多分東京勤務になるけど来れるかな?

唐揚げ