「愛している(本当に)」スイートリトルライズ Maki69さんの映画レビュー(感想・評価)
愛している(本当に)
チラシによると
テディベア作家の瑠璃子は、
聡と結婚して3年になる
この日常に不満はない、と瑠璃子は思う
さみしさはたぶん、
人間のかかえる根元的なもので、
聡のせいではないのだろう
だれかに——たとえ夫でも、
救ってもらえる類いのものではない
「この家には、恋がたりないと思うの」
聡におもわず、自分の気持ちをつたえてしまう
ある日、
自分のつくったベアをほしがる青年、
春夫に出会う
どうして、春夫といるときだけは、
さみしくないのだろう
「恋をしているの
本当は夫だけを愛していたいのに」
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恋は人を救わないと思う
もちろん愛も
こんなに利害がからみあって、
欲がからみあう不安定なものに、
人が救われるわけないと思う
でも、
救われるかもしれないという夢を、
恋はみせてくれる
夢をみている間は、
「これが真実だ」と感じ
心底
かなしいほど心底
いつか、
救われる必要がなくなったときに、
さめる夢
そして夢がさめたとき、
あいての夢もむりやりさまされる
強制的に、
強引に、
むごく、
破られる
瑠璃子は春夫に言う
「あなたを愛してる
これは本当のこと
なんで本当のことが言えるかわかる?」
「人は守りたいものに嘘をつくの」
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守る必要がないからこそ、
愛してるなんて言える
思慮なく
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ていねいにつくられた、
いい映画
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