劇場公開日 2010年3月13日

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「愛している(本当に)」スイートリトルライズ Maki69さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛している(本当に)

2010年11月2日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

チラシによると

テディベア作家の瑠璃子は、
聡と結婚して3年になる

この日常に不満はない、と瑠璃子は思う

さみしさはたぶん、
人間のかかえる根元的なもので、
聡のせいではないのだろう

だれかに——たとえ夫でも、
救ってもらえる類いのものではない

「この家には、恋がたりないと思うの」

聡におもわず、自分の気持ちをつたえてしまう

ある日、
自分のつくったベアをほしがる青年、
春夫に出会う

どうして、春夫といるときだけは、
さみしくないのだろう

「恋をしているの
本当は夫だけを愛していたいのに」





恋は人を救わないと思う

もちろん愛も

こんなに利害がからみあって、
欲がからみあう不安定なものに、
人が救われるわけないと思う

でも、
救われるかもしれないという夢を、
恋はみせてくれる

夢をみている間は、
「これが真実だ」と感じ

心底

かなしいほど心底

いつか、
救われる必要がなくなったときに、
さめる夢

そして夢がさめたとき、

あいての夢もむりやりさまされる

強制的に、
強引に、
むごく、
破られる

瑠璃子は春夫に言う

「あなたを愛してる

これは本当のこと

なんで本当のことが言えるかわかる?」

「人は守りたいものに嘘をつくの」




守る必要がないからこそ、
愛してるなんて言える
思慮なく




ていねいにつくられた、
いい映画



Maki69