「結構、辛口…。」スイートリトルライズ mori2さんの映画レビュー(感想・評価)
結構、辛口…。
女性に絶大的人気を誇る、江國香織原作の恋愛小説の映画化。タイトルを直訳すると『甘くて小さなウソ』ってことですが、なんのなんの結構辛口ですよ。
吾輩、原作は未読なのですが、この物語は原作に忠実なんですかね?だとしたら…う~ん、女の人はこういうお話に、共感してしまうんですか?男の子の吾輩は、正直チョット付いていけませんでした。夫婦がお互いを大事に思っていながら、それぞれに別の男女と逢瀬を重ねる。そしてそのことについて、触れることなく“嘘”を重ねる。この“嘘”は、『甘くて優しい』と定義されておりますが、果たしてそうなのかな~?吾輩には相当な意味を含んだ『重くて辛い』嘘のように感じられてなりませんでした。映像上、凄くキレイに描かれておるのですが、ホントにこんなことが起これば、もっともっとドロドロだと思います。だって一言で言っちゃうと、この映画のテーマは“W不倫”ですからね(こう言うと、身も蓋もないですが…)。そういう意味で、何とも現実感が乏しいんですよね。浮世離れしてるって言うか、『こんな夫婦おらんて~!』とツッコンでしまいました。男には、理解デキませんわ。
どうなんでしょ?女性の方も、全面的に支持されるんですかね?もしそうだとしたら、益々『女はワカラン!』ていう心境でございます。これは、男一生のテーマかも知れませんね。まあ、『あんな夫婦のあり方に憧れるわ~』なんて言われた日にゃあ、苦悩で叫んじゃいそうですけど(^^;。
毎朝決まった時間に起きて、サイフォンで珈琲を淹れて朝食の準備をする妻。鍵を掛けた自室にこもり、もっぱらTVゲームをしている夫(しかも、用事のある時は、携帯電話で呼び出される)。しかも愛車はイマドキ“Be-1”と来たモンだ。ね?こんな夫婦、やっぱりおかしいでしょ?
『恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに』だったら、旦那さんだけを愛しなさいよ!それって、卑怯じゃない?と思ってしまう吾輩は、まだまだ未熟者なんですかね?決して映画をけなしているわけではございません。吾輩がもう少し大人だったら、この映画ももっと楽しめたのかも…。でも、そんな大人なら、なりたくないかな(オイオイ、もおエエ歳やがな!(^^;)。
この映画、中谷美紀さんの美しさが、際立って描かれています。彼女の“透明感を感じさせる存在感”は、この映画の世界にピッタリだと思います。そういう意味では、大森南朋との“まったく生活感の感じられない夫婦役”は、見事にハマっていると思います。あと池脇千鶴ちゃんは、見る度にエロくなっていく気がするのですが…(^^;。