「パイレーツ・オブ・カリビアン 覆面のキモサベ」ローン・レンジャー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
パイレーツ・オブ・カリビアン 覆面のキモサベ
大ヒットシリーズ「パイレーツ・オブ・カリビアン」最新作は、舞台が大海原から大西部に。ローン・レンジャーなる覆面の男とコンビを組み、西部を股にかけて巨悪を討つ!
…って感じの内容(笑)
主役も監督もプロデューサーも「パイレーツ〜」トリオ。スタッフもほとんど同じ。
主演スターはお馴染みの奇抜なメイクと衣装でコミカル演技。
映画のきっかけとなった元ネタあり。
…などなど、これじゃあ比較されても二番煎じと思われても仕方ない。
だからと言って、つまらない!という訳ではなかった。
痛快愉快。大スクリーンで見るに相応しいエンターテイメント。
ローン・レンジャーが愛馬シルバーにまたがり、“ウィリアム・テル序曲”をバックに繰り広げられるクライマックスの列車アクションは素直に興奮。
タイトルこそ“ローン・レンジャー”だが、ジョニー演じるトントを物語の中枢に回した事により、ハリウッドの西部劇では軽視されがちだったネイティヴ・アメリカンの悲劇性と白人の傲慢をやんわりと問題提起。
娯楽映画として申し分ないのだけど、何故か胸に響かない。
それは恐らく、主演のジョニー・デップが原因。
映画ファンからは元々熱い支持を得ていたが、「パイレーツ〜」の大ヒットで映画ファン以外の人気も獲得し、今やハリウッドスター=ジョニー・デップというくらいの人気。
だけど、「パイレーツ〜」以降は似たような役ばかり続く。
別にそれが悪いという訳じゃないが、こうも延々と見せられると飽きてくる。
大作映画に出ず、鬼才監督の元で個性を光らせていた頃が懐かしい。
今の路線はジョニー自身の望みなのか、ファンを大事にする故大衆が喜びそうな映画に出ているだけなのか、ジョニーの心境を知りたい。
後、退屈はしなかったけど、150分はちょっと長いよ…。