「おもしろくはないけど、観る人によっては観る価値はある」夏時間の庭 夏菊さんの映画レビュー(感想・評価)
おもしろくはないけど、観る人によっては観る価値はある
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ワーストとまで言われていますが、なかなか印象深い作品だと思います。
ただ遺産相続などの話は退屈で憂鬱で切なくなる。
そんなにどろどろしないのは美しい風景と音楽のおかげなのでしょうか。
私が考えたのは「美術館とはなんぞや」ということです。
今まで、美術館はみんなで価値や感動を共有できるすばらしい措置だと思っていました。
けれどこの映画を観て、
思い出や愛情がつまった作品を人から奪って、光・命を作品から奪うことが「寄贈」なのか?と
考えさせられました。花が生けられていない花瓶、からっぽの机・・・本当に、「死んでいる」みたいって思いました。
これから日用品を素通りしないで、それらが愛されてきた日々に思いを馳せられるという点で
観る価値は十分にあると思います。
ただ、残念だったのは
・売りなはずの美術品はそこまで美しいと感じなかった。
・最後までもやもや感につつまれた。
の2点です。
はっきりとしたストーリー展開や楽しさを映画に求める方ならおすすめできませんが、
美術がすきな方にはそれなりの充足感はもたらされるのではないかな・・・と思います。
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