サガン 悲しみよこんにちはのレビュー・感想・評価
全1件を表示
(墓碑銘) 他人に勝手に書かれずにすむわ
クリックして本文を読む
映画「サガン/悲しみよこんにちは」(ディアーヌ・キュリス監督)から。
『悲しみよ こんにちは』の作家、フランソワーズ・サガンの
波乱万丈な生涯を綴った伝記ドラマだけど、
「私は弱い存在なのに、仲間は強いと思い込み、
ひと言で私を打ちのめす。容赦ない一撃が襲いかかる」と呟くシーンが
印象的に記憶が残る。
傷心を紛らわすための酒と浪費が増大していくが、最期は孤独に死ぬ。
そんな物語のラストシーン、生前中に「自分の墓碑銘」を
ある出版社から依頼されたらしい。
ひどいね・・と慰める息子に、母親のサガンはこう答えた。
「(墓碑銘) 他人に勝手に書かれずにすむわ」
それは、他人が私の人生を書いたら、たぶん賛美で埋め尽くされ、
本当に私は表現されない、という思いが強いからだろう。
彼女が書いた、彼女の墓碑銘を紹介しよう。
F.サガン 1954年に文壇にデビュー
「悲しみよ こんにちは」が世界的な事件に。
人生と作品を手際よく、片付けたが・・
その死は、本人だけの事件だった」
孤独で寂しい最期を予測したかのような墓碑銘に、胸が熱くなった。
私が自分の「墓碑銘」を書いたら、どんな表現になるのだろう。
怖くて、まだ書けない。(汗)
コメントする (1件)
共感した! (0件)
全1件を表示