サンシャイン・クリーニングのレビュー・感想・評価
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観る人の状態を表す鏡の様な映画
人生って失敗と成功の連続って言葉があるが
この家族にしてみると失敗しか出てこない。
ちょっとした不幸に次々に見舞われて
悪態付き、切れると言ったシーンが連続。
でも健気に一生懸命生きている、明日に希望を持つだけでなく
少しずつ、ほんの少しだけ前向きに、良くなってゆく
というストーリー。。
こんなはずじゃなかったって思うことは誰にでもあるはず。
特に歳をとればとるほど、その思いは強くなるかも。
※性格にもよるのかも(個人的見解ですので気にせずに)
んで、私的に思うのは人は一つの失敗に対して、
多くの後悔をしてやっと、前を向くのです。
どこにでもある、ちょっとついていない家族の前向きに
生きる、そんな姿をみて、皆どうなのだろうか?
・自分の方が幸せと感じて可哀想にって同情しちゃう。
・甘いんだよ、世の中そんなに都合よく行くわけ無いじゃんって批判。
この映画は観人の環境や境遇(状態)によって見え方を変える鏡みたいな作品だと思います。
私はどっちもでしたが。
つまりはこんな姉妹にはなりたくないと思いつつ
多分、境遇はさほど変わらない・・。
まあ、半分あきらめて、半分希望をもって生きています。
複雑かもしれませんがそういう感想です。
1点だけ、映画について
不幸な姉妹のキャスティング。
美人過ぎて何となく演技が透けてそうな・・・。
まあ、おじさんの独り言です。
最後にプチハッピーエンドで明日も頑張ろうっと!
年末クリーニング。
名画座にて。
ずーっと期待して待っていたので、それなりの充実感(^^)v
相変らず社会の底…まではいかないけど側辺にいるような
一家が主人公の作品。
高校時代はチアリーダーの花形で、アメフト選手の彼氏も
いたのに、現在はシングルマザーでその彼とは不倫の身。
いわゆる負け組?といわれる位置にいる姉と、その外見と
うらはらに、亡き母のトラウマを引き摺りつつ繊細すぎる妹。
姉の息子は学校で教師の足を舐め(爆)問題生徒だと認定。
彼女らの父も一攫千金を夢見ては破れてばかりの苦労人。
…前作も問題だらけの一家だったが^^;今回もまたスゴい。
そんな姉妹が何を始めるのかと思えば、事件現場の清掃。
単に高収入という謳い文句に誘われて安易に始めたのだが、
やってみたら結構うまくいってしまう。私達って才能あり?と
どんどん仕事を受ける姉に道具屋の優しい男友達もできて、
妹の方もふとしたことから同じ傷みを抱えているかもしれない
女友達ができる。これで高校時代の同級生を見返せるかも!
と期待を膨らませる姉だったのだが…。
えー、そんなうまくはいかないのが世の中というものです。
この一家の盲点は、常に安易な行動をとってしまうという
遺伝性のものなのか…。もう少し時期を待って軌道に乗って
から行動を起こせばいいものを、わりと思いつきで動く所が。
A・アダムスの可愛い顔面が根性を張り巡らせるのが面白く、
それだけ不安定でいて、まったくどん底感なる暗さがない。
こういうケロリとした性格は、人生ではプラスに働いてほしい。
そこへいくとマイナス面ばかりが表に出てしまう妹、
あんな風貌でも実は心根が優しい、そんな一面にグッときた。
E・ブラントの奥深い演技に脱帽。ただ、ラストは勿体ない…。
この物語はどこにも終わりがなく、さらに登場人物のその後
を見てもかなり中途半端に終わっている箇所が少なくない^^;
人生は続く…だからこの一家の苦労もまだ続く…ということか。
決して投げやりではないのに、なにをやってもうまくいかない
(と、自分で思っているような)
そんな人々にエールを送る作品ではあるが、傍からみれば
さもありなん。自業自得。というお手本にもなっている作品だ。
…あ!大掃除せねば^^;
(ふと思ったけど、次回作にもサンシャイン、ってつくのかな?)
ひっそりと輝く
なんで自分にだけこんなに不幸が起こるんだろうと思っているときは、
たぶんそういう流れに自分が乗っている時なんだと思う。
とめたくてもとめられない。
なのにある時ちょっとしたことがきっかけでその流れから起き上がって
これじゃだめじゃん!自分!て思う。
その時気づく。自分は不幸のサイクルに浸っていたいだけだったんだって。もしかしたらいつでも立ち上がれたんじゃないかって。でも勇気がないから逃げていただけだって。
稼ぎがいいってことから始めた現場清掃だけど、これがローズの、ノラの、現状から立ち止まるきっかけだった。人の死を感じることで、これまで胸にしまったままの母親の死とむきあえたんじゃないかな。最後、念願だった母親の「ピカンパイ」のCMを見る事ができる場面はちょっとわざとらしいと思ったけど、でもこれがふたりの気持ちの変化を表しているように思う。もしかしたらこれまでは見たいと思いながらも、でもやっぱり見ないようにしていたんじゃないかな。(見たら逃げられないから)
認められたい孤独と悲しさ
がんばっているのに上手くいかない。
自分の負けを認めたくない。
自分は負けていない。まだがんばれる。
そうやって自分に言い聞かせて、真実に気づかないふりして、
過去の自分を知る人にあったらごまかして、
くやしくて、でもどうにもならないまま、子供のためのお金ほしさにやり始める現場清掃。
新しいことには発見が多く、感動も多く、自分自身と向き合うきっかけにもなる。
キャリアウーマンになれなかった人(?)に見せたい映画。
コメディなのだけど、馬鹿笑いという感じでもなく、ふつうにユーモラス。
妹とお父さんが愉快で、ラストの母親のパイの台詞のシーンにはちょっと感動しました。
姉役のエイミーは美人だけど、空回ってしまう役が似合うなぁ…(良い意味で)
心に残る小作品
映画「SUNSHINE CLEANING」を観た。
サンダース映画祭でグランドジュリー賞にノミネイトされた映画。 サンダース映画祭は俳優で監督の ロバート レッドフォードによって、若い独立プロの映画人を育成する為の教育の一環として開かれている映画祭。
監督:クリステイン ジェフ
キャスト: エイミー アダムス(ローズ役)
エミリー ブラント(ノーラ役)
アラン アーキン (父)
ストーリーは
高校時代は チアガールのキャプテン 人気者だったローズ ローコフスキーは、いまや30代のシングルマザー。小学生の息子をかかえて、掃除婦として生活に四苦八苦している。 妹のノーラも 30近くなっても、ウェイトレスや様々な仕事が身に付かず、いまだ父の家から 自立できずに居候している。男やもめの父は、いつも新事業の成功を夢みて 試みるが うまくいかず失敗ばかりしている。そろいもそろって、人生負け組家族の面々だ。 ローズとノーラが まだ幼かった頃に 女優だった母親が自殺してしまって、母を失くした事で 3人は3様の心の傷をかかえている。
ある日、掃除婦ローズは 自殺した人の家の掃除 後片付けを頼まれて、いやいや血の飛び散った家を掃除した後、それが法外な収入になることを知らされる。その経験に触発されて、犯罪現場の清掃業をはじめることにする。妹を誘って 必要道具をそろえ、車を買って プロの清掃業社 その名を、サンシャイン クリーニング。
ローズもノーラも はじめは鮮血の飛び散る部屋や、たっぷり血のしみこんだベッドなどにひるんでいたが、度胸もついてきて、身内の死なれて、残された人々を慰めてあげられるだけの度量もついてくる。また犯罪に巻き込まれたり、自殺した人々の姿を 想像することで、死んでいった人々の心のありようも 見つめることができるようになっていくのだった。新しい仕事について、様々な人と出会い 失敗も重ねていって、、、。 というおはなし。
コメデイーということになっている。 たしかに 新事業を思いついて即、のめりこんでは 失敗ばかりしている懲りない父親は笑わせる。またシングルマザーのローズと 落ちこぼれノーラが おどろおどろしい犯罪現場で格闘すればするほど おかしくてすごく笑える。
しかし本当の映画のテーマは「心の癒し」だ。3人は3人とも 自殺してしまった母親が恋しくて 悲しくて仕方がない。母親を失った心の傷を 犯罪現場で死んでいった人々の心に共感して、死者の心に寄り添うことによって 埋めようとしている。死者が残していったものをきれいにして、処分することによって 死者の尊厳をとりもどしてやっている。残された家族のとなりに座ってあげることによって 家族だけでなく自分の心もまた なぐさめているのだ。
そうったヒーリングプロセスが 笑いながらも心に響く。
人はみな心に見えない傷をもっている。年をとるということは 小さいときに作った傷に 傷を重ねて大きくしていくことにすぎない と言うことも出来るし、傷を自ら癒し 治していくことが人生だ ということもできる。癒す、治す と簡単に言うが 傷から自らを解放してやることが どんなに大変なことか、、。
ローズ役のエミー アダムスが、裕福な暮らしをしていることが一目瞭然の昔のハイスクールクラスメイトたちに会って、自分の職業が掃除婦だと言えずにいる時や 怒ったり泣きたくても 笑顔をみせる様子が けなげで泣かせる。シングルマザーのがむしゃらぶりが とても良い。
ノーラ役のエミリー ブラントイギリス女優だが、「プラダを着た魔女」でデビュー、演技派若手女優の注目株だ。こんどは、「ヤング ビクトリア」という新作で ビクトリア女王の大役を演じる。ビクトリア女王は シドニーの街の中央 タウンホールの横に数百トンの銅像になって鎮座しているが、彼女のイギリスの歴史になくてはならないドラマチックな人生を演じることになって、俳優としては、とても嬉しいだろう。この映画では いくつになっても母親が、恋しくて母親が身に着けていた羽毛で頬をなで、母親が吸っていたタバコの吸殻を口にして、自分の弱気に耐えているノーラの姿に しんみりさせられる。
総じてコメデイーだが二人の娘達のがんばりがおかしくて、哀しくて ほろ苦い。
小作品だが、心に訴える力をもっている。
だめでもいいじゃない・・・
息子のオスカーは「問題行動」で学校を追われ、
妹のノラは学歴なしで仕事もクビ、
父のジョーのベンチャービジネス(?)も失敗続き。
で、当人のローズは、というと、
ハイスクール時代は花形のチアリーダーで皆の憧れだったのに、
その時の彼には捨てられ、彼は友人と結婚。
しかもその彼とはいまだ不倫関係で、
ハウスキーパーをしながらひとり息子を育てています。
「わたしは強い」
「わたしはパワフル」
自分に暗示をかけるように、つぶやきつづけるローズですが、
なかなか「ジリ貧ドロ沼」状態からぬけ出せずに悶々とする日々。
そんななか、ただただ「お金のため」に始めた、事故現場のクリーニング、
という仕事がまさかの軌道にのり、成功に近づくのですが・・・
殺人現場や自殺や孤独死の部屋の掃除というのは、
誰もがやりたくないけれど、その分お金が稼げ、
実際やってみると、
「大切な人を失って悲しむ人の力になれる」という意味では
納棺師にも似ていて、彼女たちも次第にプライドをもって
仕事ができるようになったあたり、
まさに「おくりびと」のようでした。
でも、そこは名作「リトル・ミス・サンシャイン」のスタッフの作品ですから、
やはりメインは濃密な家族関係になります。
この家族、はた目から見たら、運からもみはなされた人生の敗北者なんだけど、
それでも家族の絆は固いんです。
オスカーの件で学校によびだされ、
「学校生活に適応できないから薬物治療をするように」
なんて言われても、
「この子は想像力が豊かなだけ」
「授業が退屈で外ばかりみてるのは頭がいい証拠」
なんて、オスカーを100%信頼しているんですね。
不器用な負け犬揃いでも、信頼し合って、愛にあふれている家族は
本当に強いです。(このあたり、リトルミス・・とおんなじ)
彼女たちが幼いころ、母親に関する暗い記憶があるのだけれど、
それすら乗り越えてきているので、
事故現場の「顧客」たちにも心から親身になってあげられるのでしょうね。
ところが、仕事の方はそのまま大成功、とはいかず、
ローズがどうしても出たかったハイスクールのクラスメートの家での
「ベビーシャワー」
ここで「サンシャイン・クリーニング」の仕事を紹介して、
みんなを見かえしたかったのですが、
その最中に不幸な事故が起きて、それどころではなくなってしまいます。
結局、商売やお金のことでは、明るい兆しはまだまだで、
(むしろまたまた失敗の予感がします)
けっしてハッピーエンドではないのですが、
「よし、また頑張ろう」と前向きになれるラストです。
ローズやオスカーを理解して受け入れてくれそうな
ウィンストンなんていうやさしい男性もさりげなく登場させて
これからどうなるのかな・・・とちょっと期待してしまいます。
リトルミス・・・ほど、大笑いしたり、号泣してしまうようなブブンは
少なかったですが、
誰もが胸の奥にもっている「開かずの扉」をそっと開けて
忘れかけていた小さな喜びや悔しさを思い出させて
心から共感できる、そんな作品でした。
亡き母の出演ドラマで
たった一箇所の「セリフのあるシーン」や
車の無線で天国の母に話をするところ。
よかったです。
「デザートは何を?」
「ペカンパイがおススメです」
本篇とはなんの関係もない、こんなセリフ。
でも、また今、思い出し泣きをしてしまいました。
全ての人が「大満足」するかどうかは分からないですが、
私は大好き!!ホントに大好きな映画です!
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