「オムニバスなので採点は難しいものの・・・」Theショートフィルムズ みんな、はじめはコドモだった mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
オムニバスなので採点は難しいものの・・・
下記に印象を記す。
■1本目:「展望台」(阪本順治監督)
大阪通天閣で、自殺志願の中年男(佐藤浩市)と親に捨てられた少年が1晩を過ごし、絶望から希望が少し見えるような終り方ではあったが、どこかカタルシスには程遠い。佐藤浩市は好演なれど、少年の演出がイマイチ。これが阪本監督テイストと言えばそれまでだが。
★★☆☆☆
■2本目:「TO THE FUTURE」(井筒和幸監督)
小学校のナンセンス暴力教師に戸惑う子供達をテーマに。どこか空回りの感がある。残念なのは井筒シンボルの暴力シーンを子供達がネズミにライター油をかけて火をつけるシーンにしたこと。暴力の意味を逆に伝えることになってしまっている。
★☆☆☆☆
■3本目:「イエスタデイ ワンスモア」(大森一樹監督)
浦島太郎をモチーフにした寓話風の時代劇。不思議な老人に大人にされてしまった少年(佐藤隆太)が母親(高岡早紀)を助けるうちに微妙な関係になり、苦悩する様子が爽やか。この作品が平凡であるが、本オムニバスではベストと言える。佐藤隆太の熱演には好感が持てた。
★★★★☆
■4本目:「タガタメ」(李相日監督)
知的障害を持つ息子をかかえながら、病気で余命わずかになってしまった老人(藤竜也)の絶望を描く。ちょっと変わった死神(宮藤官九郎)との絡みが新鮮。二番目に良かった。今回はこの李監督の作品鑑賞が目的だったが、変わらぬ安定感のドラマ運びと、少し変わったエッセンスを盛り込みがこの監督らしく評価できる。
★★★☆☆
■5本目:「ダイコン」(崔洋一監督)
ダイコンとは何か?台所コントかと思ったが「ダイニングテーブルのコンテンポラリー」の略だそうだ。、台所を舞台に老夫婦と娘の微妙なやり取りがシュールに描かれているが大物女優を起用した割にはちょっと尺不足か・・・。ピンと来るところが無いまま終わってしまった。
★★☆☆☆
ざっとこんな感じだが全体的に子供をテーマにしたがまとまりはなく、オムニバスとしてのまとまりの無さが全体の評価を下げてる感は否めない。