おと・な・りのレビュー・感想・評価
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機微に心を傾けられるような人でありたい
挑戦できない事を他人のせいにし、自分を許して生きてきた男。
孤独と将来への不安を抱きつつも夢に挑戦する女性。
お隣さん同士の二人。
玄関ドアの音
コーヒー豆を挽く音
鼻歌…
顔を合わせる事は無くても互いの生活音が身体に馴染み、いつしか惹かれ合っていく。
パソコンのカチカチ音
キャビネットがバンッと閉まる音
大声…
日常の音に若干圧され気味の自分にとっては、本作のような静かで繊細な世界にほっとするような、憧れるような…何とも言えない穏やかな幸福感に包まれました。
あり得ない必然
なんかいい感じ
麻生久美子さんは特に理由はないんだけどあまり…って感じでしたがこの作品ではとってもいい雰囲気で彼女以外ではこなせなかったんじゃないかとも思います。
大人の恋、すれ違い(実際には隣に住んでて全くすれ違わないのも逆に難しそうですが)それぞれの心の中が安普請アパートの薄い壁と様々な音を通してつながってる不思議な感覚。
またこの二人が不思議な縁(えにし)でこれまたつながってる不思議さ!映画の中のお話だからって言ってしまえばそれまでですが、日常生活でも不思議なつながりに何年かに一度出会うこともあります、すぐ忘れちゃう江けど。
なんだかほんわりいい雰囲気で終わってしまう感じ。
エンドロール中の会話がおしゃれでした。
この後猫舌になったのかな?!岡田君は!
谷村美月がいい味出してましたよね、ちょっとウザいところから入って実は、的な。
ただ写真家繋がりだけですがこの映画鑑賞後の感覚、三浦春馬さんの『東京公園』を観終わった後の感じを思い出しました。あまり話題にならなかったこと、ここでのレビューが妙に少ないことが不思議なとってもいい映画。好きな映画です。
映画版ASMR? 惜しい・・・
映像なのに音にこだわった、
「お隣」さんの「音鳴り」映画で
写真家とフラワーデザイナーという
音の無い世界が主役の作品。
なんか、おしゃれで面白そうだね。
ということで鑑賞。
これは誰に刺さる作品なんだろうか。
30代の独身OL?違うな。現実とのギャップで共感できない。
女子の大学生?違うな。学生の描く理想はもっと高いよ。
子育ての終わった主婦?違うな。ふんって鼻で笑うよ。
あれ?誰にも刺さらない。
40過ぎのおっさんには刺さるかもね。
前半はだいぶ「音」にもこだわって
作ってた様子。途中から
あまり「音」関係なくなっちゃって、
ただのラブストーリーになっちゃった。
「おと」で映画作るよって決めたんなら
「おと」を主役にしないと。ね。
「おと」が小道具になっちゃだめよ。
それもこれも、ラブストーリーがいけない。
少なくとも、最後ふたりは会っちゃダメだと思う。
すれ違ったままお互い、カナダとフランスに行って
ラストはカナダの風景写真とフランスのフラワーデザインの
作品がたくさん出て、ふたりの成長を観客が知る。
みたいなね。
もちろんそのシーンはずっと「無音」。
「写真」と「花」の作品を観て、
音は観客の頭の中で奏でる。
みたいなね。
そしてふたりがどうなったかは、写真と花の作品を通じて
観客が感じる。どう感じるかは観客に委ねる。
みたいなね。
うーむ。
それでも誰にも刺さらなそうだ。
何も無い映画、トホホ❓
ゆる〜い上質の邦画です
古いワンルームにありがちな、隣の音が壁一枚で丸聞こえ。
一体どんな人が住んでいるのだろうと聞き耳を立てた経験者はいるはず。
そんなシチュエーションを下支えに進んでいくヒューマンドラマ。
カメラマンの岡田准一さん
フローリストの麻生久美子さん。
この2人は隣同士で顔を合わせた事がない。
と言って隣が誰なのか気にしすぎる映画ではない。
突然転がり込んできた谷村美月さん。
彼女がおもしろい!
地元大阪弁で捲し立て、立て板に水の如くセリフかアドリブか分からんテンポで盛り上げる。
ガサツな感じが強すぎるかと思いきや、料理が得意で健気な友達の彼女役だ。
ひらパー兄さんの岡田准一さんはよくもまぁつられなかったのかと心配になるくらいでした。
最後はしっかり見ている側の気持ちを察す見事な着地で非常に心地よい作品でした。
実際には隣の音や話し声は耳障りだし、こんな気持ちでは住めない。
風をあつめて
映画の終わり近く、鍵の音でその人であると気付く場面がある。ここから始まったくらいの最後に少しだけラブストーリー。同じアパートの隣同士一度も顔を合わせたことはないのだが、ただ互いの生活音だけを記憶している男女。
この手前まではずっとLOWトーンな話が続く。
二人とも夢があり、職場人生の岐路に立たされているからそもそも異性に気がまわっていないというのもある。
男は仕事で成功しているのだが、自分のやりたい事がやれていない。親友でモデルのSHINGO、そのウザ彼女、事務所の社長、友情、仕事、夢みたいのがごちゃ混ぜになってダウナーな日々を過ごす。
女は検定試験とフランス行きの準備の日々。一人暮らしで隣室カップルの声あるあるや、小説のネタにする為に近づいてきたクソメンやネットの嘘つきやらで現状は良くない。
二人は偶然にも中学の同級生だったのだけれど、電話で会話しても全く気が付かない。
その前にアパート壁越し二人で一緒に歌っているけれども電話の声ではわからない。コーヒー豆を挽く音、ドアの風鈴、くしゃみ、カメラ掃除のエアー音、キーチェーンの音。音だけが互いを知る。音・なりだから。
リアルに考えると聞き耳立てたり気持ち悪いことなのだけれど、隣人が出す生活音から心情を察し、何があったかを想像し...一人じゃないみたいな持っていきかたが良かった。
その音はあなたでした…
同じアパートの隣同士に暮らしながらも、顔を合わせた事の無い男女。
そんな二人が、“音”によって惹かれ合う…。
繊細で透明感ある作品で知られる熊澤尚人監督による2009年の作品。
主人公の男女の直接的なやり取りや愛の告白どころか、ラストのラストまで顔を合わせるシーンが無いという、かなり風変わりで大胆なラブストーリー。
それでもちゃんとラブストーリーになっているのが秀逸。
チェーンキーの音、コーヒーを挽く音、鼻歌…その他隣から聞こえてくる何気無い生活音がお互いにとって心安らぐ。
当然、気になる存在でもある。どんな人が住んでいるのだろう…?
しかし、訪ねてみたり、一歩行動を起こそうとはしない。
隣から泣き声が。慰めるように、いつも聞こえてくる鼻歌を歌う。壁を隔てて、一緒に鼻歌を歌う。
終盤のあるシーンある場所で、聞き覚えのあるチェーンキーの音。“あの人”だと気付く。
究極の片想いでもあり、究極のすれ違いでもあり、ロマンチック。
“音”が本当に顔を合わせない二人のラブストーリーを魅力的にしている。
共に人生の岐路に立つ30代男女。各々の人生ドラマでもある。
聡。
友人で人気男性モデルのカメラマン。売れっ子だが、自分が本当に撮りたいのは風景画。その為のカナダ行きや突然行方くらました友に思い悩む…。
七緒。
花屋で働くフラワーデザイナー志望。フランス留学を考えている。そんな時、行きつけのコンビニ店員から突然告白されるが…。
岡田准一、麻生久美子、共に好演。
岡田クンの本格ラブストーリーへの出演は本作以降無い。
聡の家に突然転がり込んでくる友の彼女・谷村美月が最初はちとウザキャラながらも、いいアクセント。
岡田義徳の役が、ムカッ!
赤の他人と思った二人だが、実は…。
終盤なかなかの急展開。
ツッコミ所も。
同じアパートの隣同士で住んでるのに一度も顔合わせた事無いって、チラッとでも無いんかい!
これは映画だから、岡田准一だから、麻生久美子だから、ラブストーリーとして成り立つ話。実際だったら騒音トラブル。
とは言え、好編。
思わず笑みがこぼれてしまうラストシーンまで、心地よく見れる。
ラブストーリーってあるけど、どっちかというと視覚を排除した聴覚によ...
繰り返し観たくなる作品に会えた
公開当時タイトルに惹かれず、たぶんこのまま目にすることもないだろうと思っていた今作品なのだが、そんな自分をぶん殴ってやりたくなるほど、今はこの作品を愛してやまない。そんな私は「耳をすませば」の大ファンです。
古めかしい壁の薄い安アパートで暮らすおとなり同士の二人が主人公。
おとなりから聞こえてくる生活音がそれぞれ心地よくて、顔も合わせたことがない相手に心を惹かれていく様子が、時にコミカルに、時に切なく描写されています。
まだあどけなさを残す岡田くんと、ナチュラルな中に可愛らしさを見せる麻生さんの演技がとても良くて、終始かなり癒されます。
中でも麻生さんの歌う「風をあつめて」は音源売ってくれないかな~と思うくらい、ヒーリング性が高くて、そのシーンだけ何度も見てしまうほどです。
これをジャニーズ映画と思って観ない選択をするとしたら本当にもったいない。
じれったいぐらいくすぐったくて、優しい恋の物語を是非堪能してください。
ええなあ。
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