サーチャーズ2.0のレビュー・感想・評価
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アレックス・コックス映画祭
B級コンビでモロにB級な映像に演出だが、そんな中にも訴えたい事など知的な要素も多々あり!? とにかく金が無いのが伝わってくる全体的な映像に、本作の制作費より日テレの方が予算をA・コックスに注いだよなぁ?と、R・コーマンのケチさを感じる。 二人のおっさんだけでは保たないと思ったのか、娘を含めた三人での復讐の旅。 道中、映画ネタの会話が続くがオタク的な内容では無く、一般的な知識が解りやすく優しい映画知識で。 ん〜、これでは本当にタダのB級映画監督になってしまうので、A・コックスに新作を!撮らせてあげる方々を募集!?
オタクの目で今の映画を斬った?
昨年、タランティーノ監督のカースタントマンへの愛情をほとばしられたような「デスプルーフ」が公開されたが、このアレックス・コックス監督久々の新作は、タランティーノ以上に映画への愛に満ちた作品だった。コックス監督、意外にも映画オタクだったのですね。 偶然出会った元役者の二人が、子役時代に出会った脚本家から受けた仕打ちへの復讐をするためにモニュメントバレーへ向かうのが、この作品のストーリーなのだが、その中で印象に残ったは、復讐をテーマにした映画に関して登場人物三人が論じ合うシーンだ。「復讐はエンタテイメントだ」との意見に対して、「古典劇では復讐は、する側も報いを受ける。エンタテイメントにはなりえないものだ」と反論する、口角泡を飛ばさんばかりに論じ合う様は、見ている側はなかなか痛快だった。今年、「復讐される側も悪だが、復讐する側も悪になる」ことを描いてみせた好作「ダークナイト」で、9.11以降に復讐の戦いを行った国に対する皮肉と批判を感じたのだが、その「ダークナイト」に共感した者には、復讐劇を具体的に論じたこの作品は、我が意を得たり、と思わす膝を打つだろう。 ところで、私の個人的なことで恐縮なのだが、私は旅行会社が発行する旅行案内誌の記事を書くことを仕事にしているので、この作品の後半に登場したモニュメントバレーのグールディング・ロッジのシーンは大変参考になった。ロッジの内容や併設する博物館の内容などがよく描かれていて、今後の自分の仕事に大いに役立たせていただけるものだった。 ただ、そこまで描けたのは、グルーディング・ロッジとタイアップしていたことによるものだったことが、エンディングで分かる。ところが、コックス監督は、そのタイアップによる映画製作にも痛烈な批判と皮肉を、この作品の中で論じて見せている。このアレックス・コックス監督の新作、なかなか侮れない面白さに溢れていると感じた。
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