「お又のおじさん。。」BALLAD 名もなき恋のうた ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
お又のおじさん。。
クレしん映画で異大なる?感動編といえば
「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」と
この「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」があるが
私はこっちの話が大好きだった。
「お又のおじさぁ~ん♪」としんのすけに呼ばれていた
“鬼の井尻”こと井尻又兵衛の雄姿を今も思い出す。
オリジナルが描いたことを、あまりにも変えなければ
実写版にしろ、それなりの作品が出来るという好例。
クレしんアニメ版の話の素晴らしさを損なうことなく、
お下劣ギャグを封印し^^;歴史ファンタジーに仕上げた。
ほぼ同じ流れであるのと同時に、感動する拠点も同じ。
あとはキャストが上手くハマるかどうかだったが、
草なぎ・新垣・大沢をはじめ、皆良く頑張っていたと思う。
歴史ファンタジーとはいえ、戦国時代の武士の生き様、
姫ら女性達の描き方、リアルな合戦シーンなども、
こんなに豪華にしましたよ!感を感じないのが嬉しい。
戦いの派手な描かれ方(爆)に慣れている昨今では、
この戦争がまるでままごとに見えるシーンもあるだろう。
時間がくれば停戦し、合間にご飯を食べる余裕もある。
小国同士の争いを実写だからと大きくしないのがいい。
秩序に守られた攻め方と退き方の描き分けもリアルで、
いかに早く相手の首を獲るかが決め手となっているが、
最後は意外な展開が訪れる…。
最近アニメ版がTV放映されたが(また見てしまった^^;)
やはりオリジナルの力を抜いた描き方はさすがだった。
そして(これを言っちゃあ…だけどx)又兵衛と、特に
廉姫の凛とした佇まいは、実写版では到底かなわない。
でも。
これはこれで、いい話に仕上がっているうえ、原作を
まったく無視しない作り方が愛に溢れていて清々しい。
原作者の急死が悔やまれるが、
こんな風に実写化する監督は貴重な存在かもしれない。
(ひまわりとシロ役も観たかったなぁ~風間くん達も~)