劇場公開日 2009年9月5日

「アニメほどの感動はないが秀作」BALLAD 名もなき恋のうた マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アニメほどの感動はないが秀作

2009年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

原案となったアニメ「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」は、ギャグを織り交ぜながらも、家族愛と悲恋を歌い上げた名作だ。本作はその根幹を尊重しつつ、実写ならではの合戦シーンにも力を入れた秀作になっている。夕暮れの撤収の合図で引き上げる敵兵を槍の柄で追い立てたり、兵たちは疲れているからと廉姫自ら塩をたっぷりに作った特大の握り飯を又兵衛が頬張ったり、合戦の裏ネタもおもしろい。
草なぎ剛は、殺陣がイマイチだが、そこはパーカッションの効いた音楽に後押しされて、実直な“もののふ”を巧く演じている。ひきかえ、廉姫を演じる新垣結衣は何を観てもいっしょだ。「Dr.ヘリ」の手術着を着物に替えただけ。
山崎貴監督が巧いのは欲張らないこと。車のタイムスリップは音だけでそれとなく表現し、現代に帰ってからの真一の行動を深追いすることもなくエンディングが爽やか。合戦では、バカみたいに弓矢が空を黒く覆うこともなく、かえって恐怖感がある。タイトルは横文字が好きだね。「ALWAYS」同様、目にも耳にも残らないのがもったいない。
又兵衛がウマそうに缶ビールを飲むシーンには吹き出した、いや・・・、微笑ましく思ったのは私だけ?
なお、残念ながら真一は“ケツ出し星人”も“ゾーさん”もやらない。

マスター@だんだん