未来を写した子どもたちのレビュー・感想・評価
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すべての子供に未来はある。
名画座にて。
2004年度のアカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作品。
公開時のことをまったく覚えておらず^^;
さらにこのチラシに映る子供達の姿からも、まさか、
そんな境遇に置かれているとは知らずに観に行ってしまった。
「闇の子供たち」と抱き合わせだったことを考えれば、
どんな作品かの想像はついただろうが…かなり衝撃だった。
インド・カルカッタにある巨大な売春窟。
そこで生まれた多くの子どもたちは、売春婦である母親の
手伝いをし、女の子であれば一定の年齢に達すると自らも
客を取らされるようになるという。なんともはや…(T_T)
それがもう何世代にもわたって続いているのだから驚きだ。
その売春婦の母親にはなんと、夫もいれば母親もいる。
つまり、一家総出で違法な売春行為で生活をしているのだ。
子供たちは、母親の仕事をもちろん承知している。
一生この世界から抜け出せないことも悟っている。
なのに、あの笑顔である。
冒頭のインタビューから、子供の生命力はスゴイと感じる。
愛らしい笑顔で自分の生活を語り、カメラを手渡されれば
飛び回って町中を撮り巡る。それもこれも、彼らには先生、
フォトジャーナリストのザナ・ブリスキがいるからである。
彼女が彼らに関わることによって、彼らの将来が
何かしらの希望をもって迎えられそうな気配が見えてくる。
当然その方向に彼女は活動を開始するのだが、現実は重い。
売春窟の子供を受け入れる学校はなく、パスポートも取れない。
彼らの中には類まれなる才能を発揮する子供もいるのだが、
その未来は、いとも簡単に潰されてしまうのである。
一個人の活動など、大した効果を生むわけがない。
そう思ってしまえばその通りかもしれないが、そこを何とか、
自分にできることはないのだろうかと、必死に動き回る彼女に
「闇の子供たち」でいうところの宮崎あおいの運動が重なる。
なんとしてでも。の気持ちには、それに応える場所が必ずある。
しかし一方で、どんな境遇の子供であれ、彼らには親である。
母親の口汚い罵りに耐え、涙を流し、抜け出したいと訴えつつ、
家族の元へ戻るのも子供たちなのである。これも否定できない。
簡単に割り切れない、他人には入れない境界線も存在する。
(今の日本家庭では、親子間に境界線が出来てしまったけど)
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