「とても耐えられるストーリーではありません」罪とか罰とか 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
とても耐えられるストーリーではありません
監督は劇団ナイロン100℃を主宰するケラリーノ・サンドロヴィッチ。下北沢界隈とか、アングラ演劇界では人気の演出家のようです。
そんなわけで、全編ナンセンス&ブラックユーモアで、苦笑の連続(^^ゞ生理的に受け付けられない小地蔵は、苦痛でした。
冒頭の一見意味ないひき逃げ事件が、後半の重要な伏線になっているなど、映画のストーリー構成には巧みさは感じます。だからケロ監督がまともに映画を作れば、『アフタースクール』みたいなどんでん返しの面白い作品が作れるでしょう。
ただ悲しいかな、ケロ監督は演劇の手法から抜け出せず、そのまんま映画にしてしまうのですね。
元カレ・春樹は、20人も人を殺しているのに、刑事になっているのです。罪の意識から自首しようとする春樹に、副署長はそれでは死刑になると命令として自首を止めさせるという話なんで、もうむちゃくちゃです。
主人公のアヤメだって、春樹に以前殺されかけていたのに、春樹が落ち込んで自首したら一生懸命慰めて、殺人なんて対したことないから、前向きに考えて頑張ろうよと励ますのです。
そういうギャグを楽しめるファンの方ならいいのですが、普通の感覚の人には、とても耐えられるストーリーではありませんでした。
但し、試写会では本作品のCMでナレーションを担当したオードリーが登場。生で春日の存在感を味わえたのは、よかったです。二人が登場すると大歓声!さすがに人気ありますね。春日の上から目線は、並みいる登壇者から観客の目線を一気に釘付けにするくらい強烈な個性を感じさせました。
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