「小林作品なのにハッピーエンド」幸福 Shiawase 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
小林作品なのにハッピーエンド
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『バッシング』「愛の予感」の小林正弘監督の最新作は、お馴染みの苫小牧を舞台にした男女の恋愛?劇。
『愛の予感』同様に出逢ってしまった2人。
物静かな立ち振る舞い。共にヒヨコヒヨコっと歩く姿は似た者同士である。
相変わらず一切の説明をせずに、2人が置かれた立場が徐々に明らかになって行く。
今回の作品が今までとは違うところは、全体的にユーモアの香りが漂っているところで、作品の雰囲気から観客1人1人が内容を読み取って行く作風自体は変わらないのですが、その為に一般の観客にとってはなかなか作品に付いて行けないきらいがあった小林作品でしたが、この全体を支配するユーモア感覚の為に、ついつい「どうなるのかな?」と思わせるところ。
更に主人公にあたる男女2人に限定した話がこれまで多かったのですが、今回は周辺(と言っても2〜3人ですが)の人物達にもそれぞれのドラマが配置されている。その辺りが、これまでとは多いに違うところでしょう。
そして、今までははっきりとしたエンディングは描かずに来た小林作品に於いて、初めてと言って良い位に何やらハッピーエンドらしき物が用意されています。
あくまでも“らしき”物なのは、その前に挟まる2人の“過去の清算”がきっちりとは描かれてはいないところで、この辺りにはこれまでの小林作品に近い物゛が在りました。
♪心凍らせて〜、愛を凍らせて〜♪
(2008年10月3日シネマート六本木/シアター3)
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