「lot of people」ララピポ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
lot of people
杉山はヤバいタイプ。女に振られ続けたからといって、ひきこもりになってしまうまではいい。上の住人のセックスを盗聴するのもいい。しかし、出会ったロリータファッションのぽっちゃり女(森三中の村上知子)に「釣り合ってる」と言われたことに腹を立てるなんて・・・なんて理性のない下半身なんだ。まぁ、その下半身という人格も破たんしてたような気がする・・・
そんな序盤のストーリーが終わると、次はデパガのトモコ。堕ちていく女という点では生々しいけど、映像的にはそれほどでもない。それよりも中村ゆりが最初は地味でさえない雰囲気だったのに徐々にお水系の綺麗なねーちゃんに変身していく様子がよかった。
あまり面白くないんじゃないかと思っていたが、6人の男女が繋がっていく様が非常に面白いのだ。「この世界には2種類の人間しかいない」という語りで始まるが、結局は皆上へ這い上がれないままでいるところもいい。
まずはAV出演が決まったトモコ。そして同じころ栗野によって熟女良枝もAV出演へ。親子丼というテーマだったのだが、トモコと良枝が実の親子だったことが判明。そして、ゴミ屋敷に火を点けたのが青柳だったり、デブ女は実はプライベートビデオを撮るAV女優だったとか、その彼女にファンレターを送るのが栗野だったり・・・
そんな中で良枝が介護疲れで母親が2階で死んでいて、その悪臭を隠すためにゴミ屋敷にした経緯がなんとも切ない。彼女のエピソードだけで映画が1本出来そうなほどだった。しかし、彼女も結局はエロ。いくら介護疲れが原因であってもエロじゃ同情できなくなる(笑)。
ちなみに“ララピポ”とは"lot of people"をネイティブに発音したもの。大都会において、二種類の人間しかいなくても、片方は極端に少数なんだろうな。