「ガマの寝汗。。」ガマの油 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
ガマの寝汗。。
映画に対する価値観はいろいろあると思うけど、
結局のところ、単純に好き好きに分かれるんだと思う。
この作品についても様々な意見が飛び交っているが、
どれを読んでも頷けることばかりで、けっこう笑えた。
ちなみに私は…かなりウトウトしてしまった方で^^;
面白かった?と聞かれたら、いや全然。と答えるだろう。
実をいうと、予告編からすでに予感はあったのだ。
つまり好き好きでいうならば、これは私の好みでない。
役所広司の描いた世界観は発揮されていると思うが、
私は役者としての彼を観ている方が多分好きだと思う。
今作では主演も兼ねる彼だが、時折抜群の表情を魅せ、
また説得力あふれる演技を披露する。それを観ていると、
「役者でいてくださいよ~、役所さん^^;」と言いたくなる。
監督には…自分の世界観を忠実に表現するだけでなく、
それを客観的に見つめ直す目も必要になってくると思う。
上映時間が長い、纏まりが悪い、ファンタジー偏りすぎ、
致命的なのは「ガマの油」とリンクできていない本編。
けっこういい話なのに、、かなりもったいない作りだ。
とはいえ、、ドラマとしては決してあり得ない話でなく、
ひとり息子を失った親の喪失感を夢の中で浮遊させつつ、
現実社会でもがきながら生きる様子を面白く描いている。
映画というより、お芝居。舞台的な演出かな、と思った。
役者たちの魅力を惹き出すのは上手い。
私には息子の彼女があまりに風変わりでダメだったが、
出所した友人・秋葉の澤屋敷純一はかなり気に入った。
一番冷静にコトを見ているのが彼で、傍観者のようで、
実は軸を握っているかのような、独特な佇まいを魅せる。
K-1選手という身体つきはさすがに凄いと思ったが、
三瓶と荒川良々を足して二で割ったような風貌が愉快。
ちなみにガマの油売りは、子供の頃実際に見たことがある。
益岡徹の口上が、とても懐かしかった。。
(俳優→監督業、最近多いですねぇ。その多才に脂汗^^;)