「原作よりも根が深い」12人の怒れる男 ジョン・ドゥさんの映画レビュー(感想・評価)
原作よりも根が深い
アメリカ映画『十二人の怒れる男』のロシア版リメイク。
12人の陪審員が殺人容疑者の青年の評決のための審議を行うのは原作通りだが、本作ではロシアならではの民族や宗教の問題が絡んできて複雑になっている。
さらに原作では冤罪を覆してハッピーエンドだが、本作では暴かれた真実がその後に暗い影を落とし何とも後味の悪い感じが残った。
とは言え、様々な経歴の12人のおっさんが自分語りしたり喧嘩したりする展開は(若干不要なものもあるような気がするが)観ていて退屈せず160分という長尺もそれほど気にならなかった。
だがしかし、繰り返し挿入される紛争地帯の映像(容疑者の青年の過去体験)の意図が不明。
陪審員たちが明かした真実は間違いで、全く違う紛争がらみの真実があるような気がしないでもない。
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