「なんたってセメダイン。」クローズZERO II ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
なんたってセメダイン。
さほど期待しなかった前作がすこぶる面白さ!だったので、
一気にファンになってしまった。シリーズ二作目の本作は
かなり前から期待していたのだが。。。
今作がどうのという前に、やはりトップの苦悩というものは
不良社会でも実社会でも、さほど変わりがないことが分かる。
てっぺんを取れば、左団扇か…?いや、違う。
むしろ、部下を纏める苦悩に悩む日々が続くんじゃなかろうか。
芹沢を倒したところでリンダマンに勝てない源治の苛立ちが、
まったく前に進もうとしない本筋とダブってこちらまで苛立つ。
しかし全編を通して観ると、なるほどね…という動きにはなるが。
以前「正しい不良映画に殺しは出ない。」と書いたのにx
今作は過去の鳳仙学園との抗争でいきなり相手を刺している。
犯人・川西が出所してきたことから鳳仙の復讐に火が付き、
両校の休戦協定が破られる。(ほとんどヤクザの抗争劇ねぇ)
ところが未だ鈴蘭を仕切れていない源治(自分自身も喪失状態)
には、彼らを迎え撃つ用意などない。能書きと気力ばかりが
空回りし、沈黙を決め込む芹沢軍団の溜め息を誘うのだ…。
うーん。青いなぁ、源治。(爆)
前作では勢いで突っ走った彼も、拳が去り、支えが無くなった
とたんに体力まで落ちている。そんな源治を支えるでもなく、
ジーっと見守るだけの芹沢がエラくカッコいい!!
これは~。悪いが小栗君よりも山田君の映画になっちゃってる。
背は高くないし、冴えない面で、バカみたいにフランク食ってる
芹沢が、ケンカになると途端にカッコ良く見えるから不思議~!!
そして。
源治の父が言うように、ここで圧倒的に源治と芹沢の力の差が、
「愛あるパンチ」として披露されるのだ。
むやみにぶん殴る源治のパンチと違い、芹沢のパンチには力は
あれど、憎しみがない。相手を見越して殴る余裕すらあるのだ。
(不良の殴り方にプロセスがあるのにも驚くけど^^;)
そんなアレコレ…が、だんだんと後半戦を盛り上げてくる。
頂上決戦まで日はわずか。鈴蘭か?鳳仙か?結構ドキドキする。
脇で出てくる俳優達も、面白いのもいればベテランも多く、
(なにしろ数が多いので)よく見る顔だけ覚えておけばOKかも。
進むにつれて(ほとんど後半になるけど)テーマがハッキリとし、
やや情に落ち過ぎの感(拳の台詞など)もあるが、結局のところ
素手でタイマン。これが一番男らしい。と勇に述べておられる。
だから例えばお父ちゃんの拳骨でも、友達同士の殴り合いでも、
相手と自分の間にあるのがやはり「信頼」然るべきなのである。
うん、やっぱりいい。前半ダレたけど、やはり好きな作品だ。
訓示。「アタマ、割れたら、セメダイン」
(ドロップも良かったけどね、あっちは個人戦。こっちは団体戦。)