「愛することの痛みを描いた、正統なメロドラマ」後悔なんてしない nanasiさんの映画レビュー(感想・評価)
愛することの痛みを描いた、正統なメロドラマ
俳優キム・ナムギルの出演作品の中で、個人的には一番好きかも。いわゆるBLと呼ばれるジャンル。最初は自分もその枠を期待して見始めたけど、何度も繰り返し観て、監督や俳優陣のインタビューを読むうちに、これは"正統なメロドラマ"なのだと気づかされた。「男性同士の恋愛」という先入観でしか見られなかった自分の浅はかさを恥ずかしく思う。この作品が韓国映画史に深く刻まれる稀有な一本であることは間違いない。でも、それを語るには私の知識が足りなすぎる。ただ、確かに言えることは、本格的に演技活動を始めたばかりの二十代半ばのナムギルが、同性愛への理解や役者としての挑戦、そして自分の境遇と真摯に向き合い、もがきながら挑んだ意味深い作品のひとつだと思う。その激しい青春の時間が、この作品の中にいまも鮮やかに封じ込められている。
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