「我が社に何を提供してくれますか?」トウキョウソナタ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
我が社に何を提供してくれますか?
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映画「トウキョウソナタ」(黒沢清監督)から。
主人公の一人、香川照之扮する父親が、
突然、リストラされるシーンから物語は始まる。
「あなたが、できることは何ですか?」
「我が社に何を提供してくれますか?」・・・。
総務畑中心に仕事をしてきた彼にとって、
自信を持って答えられるものは正直なところない。
事務系の仕事をしてきた男性は、誰も同じようなものだろう。
物語中盤、今度は就職活動で面接に行くと、また質問される。
「あなたは、何ができますか?」と。
「何でもやります」と答えた彼に「何でもじゃあ」と渋い顔をされ、
最後には「歌でも歌ってよ」。さらに追い打ちをかけるように
「我々は何を材料にあなたを判断すればいいのですか?」と続いた。
厳しいようだけれど、会社の事務なんて、
今年大学を卒業した学生だって教えれば出来るよ、
そう言われた気がして、ちょっと恐くなった。
「何でもやるつもりなのに」というボヤキは空しかったし、
何でもやる・・そんなことを言う人は世の中に溢れている。
もう一度、自分を見つめ直さなくちゃな。
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