「【平凡な4人家族一人一人が家族に言えない秘密を持った事から、緩やかに崩壊していく様と、再生する様を描いた作品。サラリーマンで家族持ちには前半は可なりキツイがラストで救われる作品でもある。】」トウキョウソナタ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【平凡な4人家族一人一人が家族に言えない秘密を持った事から、緩やかに崩壊していく様と、再生する様を描いた作品。サラリーマンで家族持ちには前半は可なりキツイがラストで救われる作品でもある。】
■リストラされたことを家族に言えない父(香川照之)、家族と接は点が無くなって行く孤独感を抱えた母(小泉今日子)、アメリカ軍に入隊する兄(小柳友)、給食費をレッスン代にしてピアノを習っている二男(凄く可愛い、井之脇海)。
普通の家族だったはずの4人家族は、気づいたらみんなバラバラになっている。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・リストラされた父が、会社に行くふりをして同じくリストラされた旧友(津田寛治)と、炊き出しを食べたり図書館で時間を潰すシーンは、正直観ていてキツイ。
更にその友が、夫婦で無理心中をしたと知った時の父の表情。
一人生き残った長女(スンゴイ若い土屋太鳳)の姿が哀しい。
ー リストラされて、職にも恵まれずキツイだろうなあ・・。スーパーマーケットの清掃員として頑張る姿。そして、仕事中に大金が入った封筒を拾うのである。-
・二男はピアノの腕前を天才的と先生(井川遥)に言われるが、秘密がバレた際に父に厳しく叱られ、その後家出をしようとして警察に捕まる。
・母は、失意の中に有る時に泥棒(役所広司)に入られるが、お金はないといい、泥棒が盗んできた車で海へ向かう。
ー 泥棒に断って、トイレに行った母は、清掃中の父と鉢合わせし。父は逃走。
気が付くと、海へ向かって続く車の轍・・。-
・父は、逃走中車に撥ねられるが、翌朝気が付き、大金の入った封筒を遺失物ボックスに入れるのである。
・そして、中東に派遣されていた兄からの手紙には、もう少しアメリカで色々と学びたいという手紙が届く。
<ラスト、次男がピアノの審査会で両親が見守る中、美しいピアノ曲を奏でるシーンは、今作の救いであり。心に沁みた。
今作で描かれる家族4人は、皆、善人だ。
一度は崩壊しかけたけれど、少しづつ再生して行く様が印象的な作品である。
そして、家族だったら出来るだけ、食事は一緒に取りたいと、アメリカに残った兄を除いた三人が食事をするシーンを見て思ったのである。>