「ややごった煮感のあるB級SF。」ドゥームズデイ MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
ややごった煮感のあるB級SF。
ニール・マーシャル監督がストレスを発散させた作品。私は本作をそう思って観ている。モンスター・パニック・ホラーの名作、「ディセント」や、「ドッグ・ソルジャー」など真面目に作品と向き合い、正当に評価されたであろう作品を一度捨て、(捨てては無いだろうが)やけくそになって作った作品だと思っている。
過去に何度も描かれてきた終末世界を、過去の名作と共に振り返る形で気持ち良く描かれている。未知のウイルスの恐怖はそこそこに、壁に閉ざされ、自由の効かなくなった人間たちの見せる狂気を主にテーマとしているのだろう。その人々は独自の世界を築いており、それは狂気そのもの。情に訴えかけるような描写は無く、あくまでもR指定のエンターテイメントとしての存在であり、緻密な人間描写は期待しなくて良い。中盤の異様に長尺のライブのシーンがそれを物語っている。
本作を分りやすく紹介すると、以下の通りになるだろう。
「28日後…」+「ロビン・フッド」+「マッドマックス」だ。荒廃した街並みを装甲車が走る等のハイセンスな映像を見せる一方、突然タイムスリップしたように中世の時代の世界観を入れ込んで来たり、クライマックスには、ベントレー コンチネンタルGTとマッド・マックス化した狂気の連中とのカーチェイス。それぞれ一貫性の無い下らない映像に思えるが、意外にも違和感なく観れるのが本作の肝だろう。
絶対的に言えることは、B級ホラー好きは間違いなく観て損は無い作品だと言うこと。こういうのが観たかったんだ!という人は必ずいるはずである。
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