「変な顔してるくせになぜ強い?ヒッポリト星人」大決戦!超ウルトラ8兄弟 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
変な顔してるくせになぜ強い?ヒッポリト星人
2年前の『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』では懐かしいヒーローたちに感動してしまいましたが、同窓会やお祭りムードが漂っていた今作ではそれほどでもなかったような・・・その前作ではエンドロール時に記念パーティ映像が流れ、再び集まろうといった決意が実現した映画。まさに昭和ウルトラマン・ファンと新しいウルトラマン・ファン向けの内容でした。
神戸から横浜へと舞台を移し、パラレルワールドといった大胆なSFチックな設定。中心となるのは、怪獣なんてのはテレビの中だけという現実味のある日本。そこへウルトラマンも怪獣も存在する世界からメビウスに変身するヒビノミライ(五十嵐隼士)が現れるのだ。死神みたいな謎の怪人によって現実世界にも怪獣が侵入してくる・・・子どもも観ることを想定したためか、パラレルワールドが活かされてない・・・
平成ウルトラマンというのはさっぱり見分けがつかない。長野博がウルトラマンティガ、吉岡毅志がウルトラマンガイア、つるの剛士がダイナ・・・あ、こいつはヘキサゴンでバカな解答する男だ。映画でも量子力学などの専門用語がチンプンカンプンだった様子は笑えました。
やはりオールドファンにとってはハヤタ(黒部進)、モロボシダン(森次晃嗣)、郷秀樹(団時朗)、北斗(高峰圭二)の登場が嬉しいし、それぞれがヒロイン(桜井浩子、ひし美ゆり子、榊原るみ、星光子)と夫婦であるという点でファンサービスもパワーアップしている。特にフラダンスシーンは必見!泣けてきます・・・桜井浩子さんが太ってしまったことで・・・
また、万城目淳として登場する佐原健二の友情出演。『ウルトラセブン』ではタケナカ参謀だったことから『ウルトラQ』までもをリスペクトしているのです。ついでに嬉しいのが『帰ってきたウルトラマン』の団時朗と榊原るみの娘として松下恵が出演していたこと。テレビの温泉紹介番組で共演してたのを見て以来かも(マニアックすぎ・・・)。他にも黒部進の娘吉本多香美も親子役。ひそかに親子共演してたのですね~
ストーリー的には前作と似たような展開だったし、SF設定を無視した夢を持ち続けるといったテーマにはついていけなかった。横浜が舞台のためか“赤い靴をはいた女の子”がキーパーソンであるなんてのは面白かったけど、全体的にはアンバランスな脚本。ただ、音響効果が素晴らしかったし、何しろ最後に登場するヴィートル号やウルトラホーク(3号?)などは感涙モノ。劇場で観る価値あり!
【2008年9月映画館にて】