劇場公開日 2008年8月16日

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「キングギドラに変身できるのなら世界征服くらいはアッという間だろうに」ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0キングギドラに変身できるのなら世界征服くらいはアッという間だろうに

2018年11月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 映画鑑賞が久しぶりということもあったせいか、なぜだか全く入り込めなかった。いや、それよりもチャン・イーモウが指揮を執った北京オリンピックの壮大な開会セレモニーに感動したせいかもしれない。鳥の巣スタジアムに近づく巨人の足跡花火がCGだとか、そんな酷評があろうとも、全て人間が演じるマスゲームのスペクタクルにはハムナプトラが敵うはずがないのです。

 ストーリーもイエティが登場するまでは良かった。プロローグ部分では、多分秦の始皇帝をイメージしたジェット・リー演ずる“皇帝”と女性呪術師ツイ・ユアン(ミシェル・ヨー)に側近のミン(ラッセル・ウォン)が絡んだ宮廷三角関係。調べてみると、『テラコッタ・ウォリア』という中国映画でも似たような設定があるし(チャン・イーモウやコン・リーが主演しているので見てみたい)、1987年に世界遺産登録された兵馬俑(へいばよう)を再現したかのような兵士たちの姿も遺跡の写真にそっくりなのです。また、その宮廷内の愛憎劇と権力者が不老不死を求める欲望が観客をも神秘的な中国王朝時代へと誘ってくれる・・・

 どこからつまらなく感じたのだろう。上海のキャバレーの名前がイムホテップというオリジナリティあるギャグは『インディ・ジョーンズ魔宮の伝説』のパクリ感によって台無しにされ、そこからの活劇や設定が全てが『インディ・ジョーンズ』に見えてしまったためかもしれません。そして、チベットでは『最後の聖戦』。その後は色彩豊かなチャン・イーモウ映画を泥色にしてしまったようなアクションとなっていました。

 ハラハラしない冒険アクションと、金持ちになってしまって貪欲さもなくなった主人公たち。そうなってくると、親子の愛すらも薄っぺらなものに見えてしまう。こんなことになるなら、中国人キャストを主人公にしてしまったほうが面白い映画になるんじゃないかなぁ。最後に戦う殺された兵たちにしたって、皇帝を憎む描写がないし・・・などと考えてみると、オコーネル一家のモチベーションだって理解できなかった。さっさとイギリスに帰ればいいじゃん。

kossy