「好き好きの問題ですが。」ヘブンズ・ドア ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
好き好きの問題ですが。
既読のものはどうしようもないが、
私は映画を観る前に「原作」は読まないようにしている。
時間がないのもあるが、たぶん、おそらく、私の性格からして
「それはそれ。これはこれ。」的な観方が出来ないからだ…。
原作には叶わない。というのが大勢を占める読者の感想は
「映画と原作は別モンよ。」の意識を遠ざけてしまう気がする。
で、それと似たような感覚で「リメイク作品」がある。
これもまた、前作の出来があまりに鮮烈だと、そっちが勝つ。
「アレとは比べもんにならないよ。」と言ってしまうのも分かる。
監督オリジナルで書き変えてしまえばまた違う印象にもなるが、
それはそれで、今度は原作・原版ファンの反感を買う。
だから、知らないに越したことはないのだろうが…
(いや、そうではなくて観比べる楽しみを知ればいいのだ)
今作の原版は、ドイツ映画で…私は既に観てしまっていた^^;
いや、観ていてもぜんぜん問題はないのだが、
自分にとって、とっても印象深い大好きな映画となっている。
だから今作は(もちろん悪くはないが)なんか違う。。
キャストを変えて、雰囲気を変えて、頑張ってはいるが、
(ならばもう少し脚本を変えても良さそうなものの)
これまた忠実にリメイクに徹している。アリアスさん、エライ。
だけどやっぱりあのテンポは出ていないし、リズム感がない。
長瀬も麻由子も頑張ってはいるが、う~ん…という感じだった。
死を間近にした二人の若者(今作では青年と少女)が
海を見るまでの逃避行、ロードムービーなので景色がイイ♪
様々な体験を(というより危ない)して、難問をかわしながら、
最期は海まで…辿りつけるのかどうか。ラストは素晴らしい。
ふと思ったのだけど、なんで死を迎えるのは山ではなくて、
海が多いんだろう?山中だと、雰囲気が出ないんだろうか^^;
(両方観ると違いが楽しめるかも。T・シュヴァイガーの出世作。)