「私たちが世間を無視して、何が悪いの?」接吻 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
私たちが世間を無視して、何が悪いの?
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映画「接吻」(万田邦敏監督)から。
小さい頃から、周りに無視され続けてきた男が、
殺人事件を起こす。
そして、殺人動機から全てに関して黙秘を続ける。
そんな犯人に親近感を覚え、ひと目惚れした女性の
破滅的な愛を描く異色ラブストーリーであるのだが、
結婚届けを出し、殺人者と夫婦になった時、世間は大騒ぎ。
どこに行っても、マスコミ関係者がマイク片手に追ってくるが、
彼女は、何事もしゃべらず、彼らを無視し続ける。
その時、彼女の口から発せられたフレーズが、
「私たちが世間を無視して、何が悪いの?」だった。
「今まで、無視されてきましたから・・」と淡々と続ける。
私は、その一言で「はっ」とさせられた。
いじめの中で「無視」が一番辛いことを誰もが知っている。
だから、みんなで無視して、いじめるのであろうが・・。
いじめられっ子の方から、無視されることは想定していない。
だから、今まで無視してきた相手から無視されると、
「何だそれ、おまえ、俺たちを馬鹿にしてんのか?」と大声を出す。
そう言うしか、おさまりどころがないからである。
出演は、豊川悦司さん、小池栄子さん、仲村トオルさんの3人だが、
ちょっと考えさせられる映画だった。
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