「あなたも、オアシスへ行ってみませんか」ジャージの二人 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたも、オアシスへ行ってみませんか
行って、大正解でした。
この、偶然なる出会いに感謝です!!
事前に、知っていたのはヒトツだけ。
「セリフが、すごい少ないですよ」
少ないのもありますが、それだけでなく
話すスピードも、ゆったりしてるんです。
また、セリフが少ない分、
ふと漏らした一言が、とても重かったりする。
中盤以降、小ネタに他のお客様と、クスクス
笑いつつも、一言一句漏らすまい、と
相矛盾をした自分が、そこにいました。
舞台の中心は、軽井沢の別荘。
訳アリの父と、現在無職の息子が、
真夏に、避暑へやってくる。
「なんだか、寒いね~~」
ここで、ジャージ登場!!
昔、御婆ちゃんが大切に保管していた、
様々な、色とりどりのジャージが。
堺さん、鮎川さんが
ここでこのジャージを着るんですが、
実に似合ってる。堺さん、あまりにも
似合ってて、本人も、驚いたらしいです。
しかも、2人の着ている
ジャージの色がイイ。この色合いの
バランスと、2人が立っている姿を
観るだけで笑ってしまう。他のお客様も笑ってました(笑)
「ベータ」とか
「携帯電波」とか
「ジャイアントなんたら」とか
「ある出来事でのガッツポーズ」とか
「ジャージに書いてある小学校名」とか
他にも、クスクス笑ってしまうストーリー満載。
今、思い出していても、笑顔になってしまう。
ここ、
「クスクス」がキーワードだと思うんです。
避暑地=ゆったり、
セリフも少ない、しかも緩やか。
お客さん、大爆笑できないですよ、
作品全体の雰囲気が、静謐に包まれていますから。
それなのに、容赦なくドンドン攻撃してくるから、
途中からは、けっこう、キツかったです(苦笑)
さらに
「クスクス」にさせたのは、
登場人物、すべてが複雑な悩みを抱えていたから。
携帯電波届く場所があるのに教えないシーン、
プリクラを湖に投げ捨ててしまうシーン、
他にも、いくつか出てくるのですが、
堺さん、地顔が、笑み顔なんで、
静かに、怒ってるシーンがメチャクチャ怖いんです。
なんだか、気づかないうちに、命うばわれてそうで。
鮎川さんとの掛け合いが
ほとんどのシーンを占めていますが、
呼吸もばっちりで、本当の親子みたいです。
あなたも、
暑い夏にオアシス(避暑地)で、
涼しいひと時を、過ごしてみませんか?
【補記】
①色と音へのこだわりも、感じますよ
②『ジャージの二人』、中村監督、
「このタイトルで2時間は、お客さんキツイだろ」って
1時間30分にしたそうなんです。そんなところまで、
気にされているなんて、そちらにも驚いてしまいました!