胡同の理髪師のレビュー・感想・評価
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素晴らしき哉、チンさんの人生
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チンさんは1913年生まれで、この映画を撮影した時には92歳だった。
チンさんは胡同で理髪店をしている。
チンさんには欲が無いから、お賃はお客さんが決める。
胡同は中国政府が目指す近代化の波で解体が決定している。
「いつでもしておくれ」と役人に答えるチンさん。
息子には怒られるが「気にするな!」と自分のスタンスは崩さない。
チンさんは気の合う仲間と麻雀を打つのが大好き。
最近の話題と云えば「如何に綺麗に死んで行くか」だ!
だからチンさんは何十年振りかで写真を撮ったが、どうにも気に入らない。絵を描いて貰って少しご満悦。
チンさんの髭を剃る技術は格別だから指名が入れば自転車で駆けつける。
知り合いが居なく無ると心配だから、その息子には無言で抗議したりする。
チンさんは論争が苦手だ!息子の不満や、ご近所の愚痴には“右から左に受け流す”
チンさんは葬儀社の言う通りにするが500文字がどれ位か解らない。ニウニウが悪さをしてしまう。
今日もチンさんは毎日5分遅れる時計をわざと進ませて眠る。
近代化の進む街並みには今日もチンさんが当てる剃刀のジョリジョリとゆう音が響く。
そして、チンさんは“その日に備えて”今日も櫛を手放さない。
だってチンさんはお洒落だし、身だしなみが何よりも肝心だから。
(2008年3月8日岩波ホール)
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