「スプラッタSF」レポゼッション・メン Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
スプラッタSF
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ジュード・ロウの雰囲気が良いSFだが、世界観は「ブレードランナー」の様でもあり、SFファンは中々目が離せない作品では無いだろうか。臓器回収屋として働く主人公が、不慮の事故で自身もレンタル臓器を使用せねばならない境遇となり、今まで自分が行っていた事がどれだけ恐ろしい事かが分かる様になるのだが、そもそもこんな世界が浸透した事自体異常そのものではないか。結局自身が追われる身となる訳だが、この秩序も道徳も無い世界観にややついて行けない感がある。
アクションシーンのスタイリッシュさや、立場が逆転してからの主人公の葛藤など、描写は丁寧で良い。これだけ取ったら万人受けするSFアクションなのだろうが、「臓器回収」というワードから想像できる様に、スプラッタシーンがかなり過激である。終盤の臓器をスキャンするシーン等はこちらも顔をしかめてしまう位だ。しかし、SF作品としての真髄はしっかりと押さえている様で、見応えがある。
本作の最大のポイントは、そのラストにあるだろう。結果的にはバッドエンドとなる訳だが、ある時点から覚えた違和感の説明がつく構成で、感心させられた。大衆には勧めにくい作品だが、ある程度耐性のある方にはぜひオススメしたい。
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