「現代のおとぎ話」奇跡のシンフォニー シンコさんの映画レビュー(感想・評価)
現代のおとぎ話
孤児院を抜け出して母親を探しに行く子の映画「この道は母へとつづく」と、盲学校で音楽の才能を見いだす少年の映画「ミルコのひかり」を、合わせたような話です。
ある日エヴァンは、両親に会うため施設を出て行きます。
初めての都会の喧騒、エヴァンの天性の耳は、そこにも音楽を聴き取ります。
エヴァンは紛れもない神童でした。
知らない人間が見たら落書きにしか見えない、現代音楽のような楽譜をノートに書きなぐり、狂想曲(ラブソディー)を作曲します。
沢山の人に曲を聞いてもらえば、きっと両親に伝わる。
そしてラストのコンサートシーンに、物語は紡がれていくのです。
主役のフレディ・ハイモアが、目に見えない音楽の世界を、子供とは思えないような豊かな表情で表現しています。
親を求めるエヴァンの心、我が子を思うライラの愛情、ライラを追うルイス、それぞれの思いと行動が、互いに誘い合うように絡んでいきます。
まさに現代のおとぎ話。
映画全体がひとつの音楽のようでもあり、音と映像が相まって絶妙の情感をかもし出し、目が潤みっぱなしの2時間でした。
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