劇場公開日 2007年12月22日

「改変は多いが意外と無難な出来」魍魎の匣 Tenjinさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 改変は多いが意外と無難な出来

2025年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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姑獲鳥の夏に比べると映像が凝ってなくて素直なので見やすい。戦後の日本の風景も結構いい感じに表現できていると思います。

相変わらず木場や榎木津が柄悪い兄ちゃんになってしまっているのは不満ですが。こわもてだけど繊細なところがあるのが木場だし、榎木津は変人だけど仮にも子爵の息子なんだから、もう少し品のよさみたいなものが見え隠れしてほしいですね。

敦子は少し人あたりが柔らかくなって原作のイメージに近づいています。御箱様の祝詞を覚えていて再現してみせたのは面白かった。

前作どころか原作から最もキャラが変わっているのは関口ですね。鬱っぽいところがなくなって少し要領の悪いだけの普通の大人になっています。まあ、変に辛気臭いよりこちらの方が物語の邪魔にはならなくていいかもしれません。個人的には割と好き。

中善寺は中盤で御箱様こと寺田を正確な知識でもってやりこめるところは原作通りでかっこよかった。終盤の美馬坂教授との対決中に榎木津の破壊行為で施設が壊れたので、憑き物落としは何かうやむやになってしまった感じもする。その後の宙づりはまったくもって意味不明。

原作から話の展開がかなり変わっていますが、大筋はそのままなので改悪というほどではない。強いて言うなら久保や陽子、美馬坂の狂気的な部分があまり感じられないのは惜しいですね。ノリの軽さが原因なので仕方ないところでしょうか。

Tenjin
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