「ホラー映画……?」ブギーマン(2005) tatsughtさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー映画……?
怪物や殺人鬼ものの映画はB級映画として扱われることが多い。ほとんどギャグとしか思えないグロ描写や必ず出てくる女性の裸、飾りだけのストーリーなど、それとして扱われる理由を挙げたら切りがない。まぁ突っ込むだけ野暮なのだが。
この映画もそういう部類に入るのかな、と勝手な予想をしていた私であったが、妙に真面目に作っており、おふざけもギャグ(この場合はグロ描写)も女性の裸も一切なし。サム・ライミが製作と聞いて胸躍らされていた私はいったい……。
もちろん、真面目な作品を作ってはいけないという意味ではない。彼が製作したガチンコホラーに興味はあるし、観てみたい。ただ、そういう映画を作るのならそれなりの怖さが欲しいし、決して中途半端な怖さは許されない。
その上で言わせてもらうが、残念ながら本作はあまりに「怖さ」がない。だいたいあの恐怖演出の古臭さは何なのか。あれで怖がるのはせいぜい中学生や小学生くらいなものだ。あまりに形式的でありきたりのホラー描写に興ざめした。
冒頭から中盤にかけての主人公のトラウマを描いたドラマ部分はしっかり作られているが、先述した興ざめ演出が随所に挟み込まれるため、テンションを低下させる。
こんなことになるなら最初からB級映画として演出したほうがまだ良かったのではないか。そんなことを考えずにはいられない本作の出来栄えであった。
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