「ある種、映画の醍醐味かも」九月になれば odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ある種、映画の醍醐味かも
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当時、アメリカの代表的二枚目俳優のロック・ハドソンとエキゾティックで官能的な美女を輩出するイタリア女優の先駆けともなったジーナ・ロロブリジーダ共演、舞台はイタリアのリゾート地 リヴィエラの豪華別荘ですからそれだけで観客は興味津々だったと思われます。良くある美男美女が終始いちゃいちゃするだけのプロットなら白けますが観光旅行中の若者たちと絡めて男女の恋愛観の表裏を甘辛に調理して見せてくれます。
持ち物や小道具で人柄を表すのも演出の一つですが名車の多いイタリアにわざわざロールス・ロイスやJEEPを持ち込むこともないと思いますが説明省略の一手なのでしょう、ヴェスパに乗って走るところは名作「ローマの休日」に刺激された当時の若者の願望、お約束だったのでしょう。
富豪の青年実業家ロバートは男女関係についても「他人に厳しく自分に甘い」成功者の典型、そんな彼の自分への想いが遊びなのか愛情なのか計り兼ねて揺れる女心を面白おかしく描いています。本作が当たったせいかご両人はこの後も「お熱い出来事(1965)」でも夫婦役を演じています。映画の中で恋に落ちたトニー(ボビー・ダーリン)とサンディー(サンドラ・ディー)は共演がきっかけで数週間後に実際に結婚したそうですから二人にとってはキューピッドになった映画でもありますね。まあ生活感のない映画ですから暫し現実から離れて裕福な気分に浸れるのも映画の醍醐味かも知れません。
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