「アナコンダの攻撃を上回る見どころがある」アナコンダ2 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
アナコンダの攻撃を上回る見どころがある
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:60点 )
『アナコンダ』を飛ばしていきなり2を鑑賞。冒頭、密林で虎が出てくる。えっ、アナコンダの生息する南米に虎はいないのに虎を出すとはなんて出鱈目な考証だろう、流石にB級映画だと思った。
しかし舞台は実はインドネシア、それならば虎の生息地はあるのだが、それでもボルネオに虎はいない。そして何よりも大事なのは、アナコンダはアジアに生息していない。ちなみに原題でも『Anacondas: The Hunt for the Blood』で、アナコンダ同様に巨大だがボルネオに住むニシキヘビの間違いではない。
でもそんなことはどうでもいいのだ、国際化の進む現代ではアナコンダがいつの間にか太平洋を泳いでボルネオにも大量繁殖しているのだ。
さて本篇だが、アナコンダはそうたいしたものではない。映像はCGが特別いいわけでもないし、何より人を襲う場面がここぞという恐怖感を掻き立てない。思ったほどの存在感がなく期待外れ。
ところがアナコンダよりも面白い見せ場がある。それは派遣隊の仲間割れ。アナコンダの襲撃に脅えて探索を諦めて帰ろうとする人々と、何が何でも名誉と大金を掴める目的の花を得ようとどんな手段も使う人との対立がとにかく盛り上がり、アナコンダなんてすっかり脇役になっていた。むしろ人間同士の対立が面白いから、映画出演のために南米からわざわざ数千キロの海を越えてまでやってきたアナコンダはもう出てこなくても楽しめるぐらいの内容になっていた。
設定は最初から色々と無理があるし、展開も突っ込みどころはある。でもアナコンダが巨大化した理由をつけたりして、無理やりでも物語の整合性を合わせようとしている努力の跡は見られた。