劇場公開日 2004年12月11日

「眠りに落ちる確率」恋に落ちる確率 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0眠りに落ちる確率

2019年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 “Night and Day”と、マジシャンが操るタバコのマリオネット。ストーリーの各場面に現れるコペンハーゲンの航空写真地図。随所に展開される、不思議な世界に迷い込む斬新な映像が心地よかった。眠りに落ちる確率も高いのかもしれない・・・

 運命の女性に出会う・・・恋人シモーネとのデートを放り出して、小説家の妻アイメに一目惚れするアレックス。シモーネとアイメは女優マリア・ボネヴィーの一人二役なのだから、結局は同じタイプの女性を好きになるということも表現し、人妻を好きになったら後戻りはできないことも隠喩しているのかもしれない。

 最初は、SFチックにパラレルワールドにでも迷い込んだのか、周りの人間が共謀してアレックスをハメようとしているのかと考えてしまいました。ライターやローマ観光地図が伏線を為しているように、映画そのものの構成が作家アウグストの小説の中で動いているような気がします。「男と女の出会いのシーンをようやく考えついたよ」(不確かです)という彼の台詞と、マジシャンの映像で全てをサンドイッチする構成がまさしく「再構成」(原題:Reconstruction)を意味しているような・・・

 多分、アウグストは自慢の妻を小説の中に登場させたくてしょうがない男。若者に妻を寝取られることも快感に覚える変な奴なのでしょう。そういう風変わりな人間じゃないと小説は面白くないですよね・・・

kossy