劇場公開日 2004年8月28日

「ちょっとだけ反戦映画で、ちょっとだけ少年時代への回顧ストーリー」デビルズ・バックボーン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ちょっとだけ反戦映画で、ちょっとだけ少年時代への回顧ストーリー

2019年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 サンティという少年の幽霊の造形が珍しい。蒼白となった顔、額からは血が流れているのだが、水の中にいるかのように血が上向きに拡散している。誰かに怨みを持っているかのようで、カルロス少年にとっては害を与えない、いい幽霊に思われた。

 村には孤児院経営者の老人カザレスと義足の老教師カルメン。若い娘と乱暴者のハシント。胎児をラム酒で漬けてあったり、倉庫には不気味なプールもある。広場には信管は抜いてあるが爆弾が突き刺さっている。若いハシントは娘とできているわけではなく、神父が愛しているカルメンと密会を続ける。こうした見たこともない映像が独特の雰囲気を醸し出し、もちろん少年たちの友情物語のエッセンスもほどよく配置してあるのです。

 想像すると、内戦によりフランコ将軍による虐殺などの圧制のため、カザレス神父は村を捨て逃げることを決意する。レジスタンスの資金にもなる地金を狙い、ハシントが村を焼き払い、少年たちが最後の抵抗をするといった流れ。

 過去の忌まわしい記憶を思い起こすカルロスの友達。頭を柱にぶつける効果や爆発シーンのCG。それに爆弾が落ちてくる幻想的なシーン、と不思議な世界が繰り広げられた。見ていても爽快感などは感じず、暗い少年時代とラストの不気味な幽霊が記憶に残る・・・

kossy