地球で最後のふたりのレビュー・感想・評価
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タイトルに惹かれて見た
DVDで鑑賞。製作は2003年。日本公開は2004.7.31。邦題が「地球で最後のふたり」で、原題は「LAST LIFE IN THE UNIVERSE」である。宇宙で最後の命、である。しかし、物語的にはそこまで壮大な物語ではなかった。全体的なムードはそういういかがわしい雰囲気を漂わせている。ヤモリが象徴的に登場する。時間も短いが、登場人物も少ない。
タイ・バンコクのマンションと図書館、その郊外の一軒家が主要な舞台。制服キャバクラみたいなバーもでてくる。タイのベンエーグ・ラッタナルアーン監督の4本目。タイ在留中の日本人の男。自殺願望があり、本好きで潔癖性の元ヤクザ。浅野はベネチアのコントロコレンテ部門の主演男優賞を受賞した。撮影は豪州出身名カメラマン、クリストファー・ドイル。浅野忠信主演、シニター・ブンヤサック、ティッティ・ブームオーン、ライラ・ブンヤサック、松重豊、竹内力、三池崇史、田中要次、佐藤佐吉。日本語版字幕松浦美奈。タイ語、英語、日本語が入り乱れる。タイ、日本、フランス、オランダ、シンガポール共同製作。大阪ロケあり。
バンコクの国際交流基金日本センター(モデルになった日本人がいるらしい)で図書館スタッフとして働くケンジ。スタッフの女性の誘いを無下に断るクールな男。首吊り、拳銃、川に飛び降り、刃物と、単純な死に方に取り憑かれている。しかしタイミングがいつも悪く、邪魔ばかりされるのだ。
白いオープンカーの出番と食事シーンが多い。ケンジは家に戻れぬ理由があり、ノイもケンジに家にいてほしい理由がある。ノイは日本語勉強中であり、月曜日には大阪へ発つ直前でもある。何気に働き者のケンジは、劇中でノイの家の掃除片付けをし、兄の復讐をし、死体を二つ隠し、ノイを暴力的ストーカーから守り、妹をレイプしたノイの愛人をヤクザに殺させる。この辺の手際のよさというか、運のよさも含めて浅野忠信の本領発揮である。脚本はあるんだろうけどね。ラスト、ノイの笑顔がいい。
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