carmen.カルメン(2002)のレビュー・感想・評価
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せめて音楽を・・・
プロスペル・メリメの原作を忠実に再現した映画だ。オペラや何度となく舞台化、映画化された作品をいかにして料理するかにかかっているのだが、如何せん音楽が悪い。ビゼーのカルメンに慣れ親しんだ観客が大半であろう中で、堂々と情熱を感じない音楽を聞かせるのだ。映像美と俳優の素晴らしさは文句ないのだから、ベタかもしれないけど思い切ってクラシカルな音楽で攻められなかったのが残念だ。
カルメン役のパス・ベガもホセ役のスバラグリアも心を映し出すいい演技だし、室内の暗い雰囲気は電気のない世界をリアルに描いてある。民衆の出番が少ないことから舞台を映画にしただけのこじんまりとした雰囲気も、2人を中心に愛憎劇が展開する様を描ききれているように感じた。男の視点では、かなりホセに感情移入できましたよ。
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