世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃すのレビュー・感想・評価
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予算がなくとも知恵がある
ティム・バートンの「マーズ・アタック」にもオマージュされた円盤襲来物の古典SF。
主役の円盤の飛翔原理は磁場での重力制御とアインシュタインが聞いたら怒るような設定、「宇宙戦争」の三角型と違ったアダムスキータイプのまさに円盤。宇宙人は木彫人形の老人風、武器は主に怪光線、円盤はバリアで守られているが着ている鎧は銃には無力、大気に触れるとなぜか溶けてなくなる(そもそも移住は無理じゃん?)。
特撮は『原子怪獣現わる』のレドザウルスを造ったレイ・ハリーハウゼンのストップアニメーション技術、首都の攻撃シーンも大規模なミニチュアセットを作る予算が無く、撃墜される爆撃機や軍艦は第2次大戦の資料フィルムを流用するなどでしのいでいる。
登場人物は東宝特撮でもお約束になった天才科学者と美女カップルに軍や科学の重鎮の面々プラス尊い犠牲者。
主人公マーヴィン博士は人工衛星を打ち上げるセンター長ということから宇宙人に目をつけられ地球のリーダーとの会談をセットするよう脅迫される、猶予期間は60日、円盤での威嚇攻撃かと思いきや太陽フレアーを起こされインフラは壊滅?かと思いきや博士は新兵器を開発して、少なくともワシントンDC界隈の円盤は撃墜(他国も設計図から作れたのでしょう、予算都合で中継カット)、めでたしめでたしで妻と遅いハネムーンを楽しむのでした、というプロット。コンピューターらしきマシンは歯車だらけ、ポータブルのテープレコダーが重要な役割、当時としては最先端機器だったと思うと時代を感じますね。円盤の音はロケ地の下水処理場のタンクの音を加工したそうな、SFはまだまだ亜流、予算も制限され、知恵と工夫で取り組んでいた先人たちには頭が下がります。
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