「リース・ウィザースプーンはヘビーなテーマを中和する」メラニーは行く! うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
リース・ウィザースプーンはヘビーなテーマを中和する
独身女性の代弁者たる、リース・ウィザースプーンが、結婚をテーマにちょっと意外なアプローチで演じたロマンティックコメディ。
ニューヨークで、ファッション業界で成功した女性が、リッチでハンサムな彼氏にプロポーズされるところからスタートする映画は、だんだんと彼女の内面へと入り込み、やがてとんでもない事実が発覚する。それは悲しくてほろ苦い過去の傷で、彼女が生まれ育った南部の文化を茶化しながら、ひとりの女性のキャラクターを丁寧に描いていく。
この二面性がある役柄を、リース・ウィザースプーンが熱演したストーリーは、やはり落ち着くべきところにオチがつく展開ではあるが、笑いの要素が少ないのと、本来の彼女の魅力である、天然な女性の明るさがなりを潜めてしまい、残念ながら、あまり役柄にハマってないように映る。
それでも、さじ加減を間違うと、イヤミでガサツな女性になるところを、絶妙なバランスで嫌われないキャラクターにしたウィザースプーンは、さすがと言うべきだろう。
ただ、サンドラ・ブロックが演じた方が、よりハマったんじゃないかと思ったのも事実。『キューティーブロンド』を意識した作風で、タイトルもメラニーというキャラクターを前面に押し出てあるあたり、日本で配給権を得た映画会社の商魂がブンブン臭ってくる。原題はかなりニュアンスが違うのに。
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