100万ドル大放送
解説
「1937年の大放送」に次いでの38年度の大放送もので、同じくミッチェル・ライゼンが監督に当っている。出演は「かぼちゃ太夫」「南瓜おやじ」のW・C・フィールズ、「ワイキキの結婚」「麗人遁走曲」のマーサ・レイ及びシャーリー・ロス、「北海の子」「ハリケーン(1937)」のドロシー・ラムーア、舞台・ラジオの人気俳優ボッブ・ホープ「画家とモデル(1937)」のベン・ブルー、「青春ホテル」のリーフ・エリクソン、リン・オヴァーマン、グレイス・ブラッドリー、ルーフ・デイヴィス等で、メトロポリタン・オペラのソプラノ歌手カーステン・フラグスタッド、メキシコのテナー、ティト・ギザール、シェップ・フィールズのリップリング・リズム管弦楽団が特別出演している。原作はフレデリック・ハズリット・ブレナンが書き、「山は笑う」のハワード・リンゼイ、ラッセル・クラウズ組が潤色、「ワイキキの結婚」「1937年の大放送」のウォルター・デレオン、フランシス・マーティン組とケン・イングランドが協力脚色に当った。作詞作曲はラルフ・レインジャー、レオ・ロビン組で、キャメラは「犯罪王」のハリー・フィッシュベック擔任。
1938年製作/アメリカ
原題または英題:The Big Broadcast of 1938
ストーリー
ジャイガンティック号とコロッサル号の2巨船が、ニューヨークからフランスのシェルブールまで大西洋横断の競争をすることになった。ジャイガンティック号にはボブ・ヘイズの発明になる沿岸の放送局の電波を利用する特殊の装置がしてあるので、人気はこの船に集まっていた。この船の船内放送局のアナウンサー、バズは有金全部をこの競争に賭け、儲けた金で3人の先妻に離婚手当てを払い、新しい恋人ドロシーと結婚しようと思っていた。ところが3人の先妻から離婚手当ての不払いで訴えられ警察に留置されたので、ジャイガンティックの出発が迫っているのに乗船できない。そこへドロシーが金を都合して来たのでバズは危うく海外で船に追いついた。ジャイガンティック号の持ち主T・F・ベロウズは弟のS・B・ベロウズをコロッサル号に乗りこませて船の進行を妨害させることにした。今までに彼が乗った船は必ず故障を起こしたのであった。ところが少々人並離れた彼は、間違えてジャイガンティック号に乗って、たちまちラジオ電力機を壊してしまった。船は次第にコロッサルに抜かれて行く。船内ではラジオ界の人気者が次々に出場して船客を慰めている一方、ボブはベロウズが人並でないことを知ったので、機械の修理にかかる。その間にボブはドロシーと恋に堕ちたが、彼女はバズと婚約しているので、2人の恋も順調には進まない。バズは最初の間こそ嫉妬しているが、船中で別れた妻のクレオと逢っているうちに、楽しかった夫婦時代を思い出し、次第に心が溶けて行った。ジャイガンティック号は途中で難破しているベロウズの娘マーサを救う。彼女も父と同様に、必ず悪い運勢を招く女だが、意外にもマーサの失策から行き悩んでいたラジオ電力機の故障が直る。果してジャイガンティックは刻々とコロッサルを追いつめついに寸尺を争って勝ち、フランスの港へ到いた。バズがクレオと和解したので、ドロシーもボブとめでたく結ばれることになった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ミッチェル・ライゼン
- 脚本
- ハワード・リンゼイ
- ラッセル・クローズ
- 脚色
- ウォルター・デレオン
- フランシス・マーティン
- ケン・イングランド
- 原作
- フレデリック・ハズリット・ブレナン
- 製作
- ハーラン・トンプソン
- 撮影
- ハリー・フィッシュベック
- 音楽
- ラルフ・レインジャー
- レオ・ロビン
- 振り付け
- リロイ・プリンツ
受賞歴
第11回 アカデミー賞(1939年)
受賞
主題歌賞 |
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