ロック・スターのレビュー・感想・評価
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栄光の裏の現実
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総合:75点
ストーリー: 70
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 70
音楽: 80
ただの非現実的な話とばかりは言ってられない。似たようなことが少なくとも現実に2度あったことを聞いている。カラオケにいってもたまにプロ顔負けのとんでもなくうまい人がいることがある。それに主人公はバンドに入れあげた熱狂的なセミプロのファン。ボーカルが入れ替わるだけの実力を持っているのも納得できる。
そして華やかなロックバンドの裏にある数々の問題に直面する主人公。バンドのボーカルといえば花形という印象が強いが、バンドを取り仕切っているのがボーカルとは限らない。そういえばバン・ヘイレンもボーカルが変わるけど、バンドを仕切っているのはギターのエディ・バン・ヘイレンだ。結局自分は声だけを買われているに過ぎず、何もさせてもらえないことがわかった。そして栄光を捨ててまで真似事から脱皮し自分の音楽を追求しようとする主人公の決意が、実に自然な形で結論としてたどり着いていた。ただの憧れだった存在は現実を知り自分を見つめなおし成長させたのだ。彼のやり方は劇的すぎると思うのだが、最初に与えられた機会が劇的だからそれと対をなしているのか。
この映画のもう一つ良いところは音楽。主人公はボーカルを買われてスカウトをされる。記者団にもいきなりの交代で大丈夫なのかと聞かれる。そしてそれに対してボーカルを披露して答える。劇中でもその高音まで伸びる力強いボーカルを思う存分聞かせてくれる。主演のマーク・ウォールバーグは元々バンドをやっていたからこその当たり役だろうし、これがなければこの映画の価値は低くなっただろう。
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