「依頼人を愛してしまうという職務放棄」プルーフ・オブ・ライフ うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
依頼人を愛してしまうという職務放棄
この手の映画において、どうしても考えてしまうのが、「職権濫用」とか「職務放棄」などの問題。依頼人の妻である、メグは、ラッセルにとっては職業上の関係であって、間違っても恋愛には発展しない。はずなのに、どうして?
スゴ腕の交渉人だか、調査員だか、とにかく腕っぷしが強くて、マッチョで頼りがいがあって、ストイックで。って、それに惚れてしまう依頼人が仮にいたとしても、それに手を付けていたら、重大な職務違反でしょう。
『ボディガード』のケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの関係とか、一緒にいるうちにいつの間にか愛し合うようになって、みたいな設定は、主人公のプロ意識をただどぶに捨てる行為に他ならないからね。
それでも、逆のパターンはよくコメディの題材になるし、たいていは許されない関係を乗り越えてくっついちゃうよね。『ウエディングプランナー』とか。そこの違いは、コメディか、スリラーか。笑えるか、笑えないか。にあるのだろうか。
とにかく、メグ・ライアンがなんも考えてない、ただのスケベ主婦にしか見えなかった、残念な映画。
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