惨劇の週末のレビュー・感想・評価
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モヒカン
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刑事がイヴァンに執拗な尋問を始める。ナチョのIDカードを持ったジャンキーが瀕死の状態で見つかったからだ。6人は4年前の真実を隠匿しようと相談をするため再会するのだが、遺棄したナチョの死体のことが心配になって田舎の無人の館を訪れる。しかし、埋めた死体を確認する前に突如火災が起こり、全ては闇の中に・・・
過去の殺人という罪に苛まれる若者たち。斎藤栄の小説「金糸雀(かなりや)の唄殺人事件」が似たような設定だったので、これはクララが犯人に違いない!と想像しながら観続けた。もしかすると、ナチョの父親、刑事が仲間を次々に殺したのじゃないか?などと様々な想像ができるのだが、変態的画家であるナチョの絵を見ると・・・モルグで死体を撮影し、モチーフとして死の絵を描くといった不気味さ。タイトルにもある“死の芸術”がじわじわとイヴァンを苦しめ、観ている者にも謎を与えてくれる。
徐々にイヴァンの前に姿を現すナチョ。モヒカン頭のヴィン・ディーゼルといった雰囲気の彼は幽霊としてはリアルなインパクトを与えすぎるのが残念。「実はお前は死んでるんだよ」などと言うナチョの言葉により、『アザーズ』のような映画かとも思わせるが、それよりもずっと奥が深い。シェークスピアと罪の意識についての話もポイントを押さえていました。
『バッド・エデュケーション』でもいい演技をしていたフェレ・マルティネス。今後も楽しみ。
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