「黒人初のダイバーになろうとする男の誇りと、二人の演技」ザ・ダイバー Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
黒人初のダイバーになろうとする男の誇りと、二人の演技
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 65
未開の地に踏み込むというのはとても苦難の道である。まして敵意を隠そうともしない四面楚歌の中、黒人がその能力を見せるというのは白人に喧嘩を売る行為である。黒人の分際で白人の領域に入ってきてはいけないのである。黒人は黒人の世界でおとなしく白人の下でひっそりと生活をし、つまらない仕事をしながら細々と生活をしていればいいのだ。
それでも彼は諦めなかった。いわれのない差別と虐めを受け、当たり前のことをするにも普通以上の忍耐と努力を強いられる。敵はいても彼を守る者はなく、訓練を離れていても常に緊張を強いられる生活。時には落ち込み憤慨しつつも、それでも己を信じて自分を貫き通そうとする姿に共感する。誇り高い男の生き様である。
嫌味ないけすかない教官のデ・ニーロ演じるサンデーと、困難に負けず自分の能力を証明しようとする開拓者のキューバ・グッディング・ジュニア演じるブラシアの演技が光る。本来は黒人嫌いの差別主義者のサンデーですら認めざる得なかったブラシアの能力と精神力、そしてそこから芽生える信頼と友情も見せ場。
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