ザ・ダイバーのレビュー・感想・評価
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A SON NEVER FORGET
BASED ON A TRUE STORYということで不屈の男カール・ブラシア(Carl Brashear)の半生を描いた物語。
黒人差別の時代に、米軍史上初の記録を数多く残した。映画自体は上官から退役させられそうになるのを跳ね退け、ダイバーとして完全復帰するところで終わる。
核弾頭引き上げ作業中にワイヤーの事故で足がグチャグチャになってしまうのだが1968年に自らの希望により負傷した方の足を切断し、義足をつけて訓練を積みダイバーとして完全復帰する。その二年後アフリカ系アメリカ人として最初のマスターダイバーとなり、その後さらに9年間現役を続けたという伝説の人。凄過ぎる。
海軍に入隊しても黒人はコックか雑用係しかなれなかった時代。ちょっと騒ぎを起こして懲罰房に入れられるが、泳ぎの上手さが上官の目にとまり救難隊に入り上等兵となる事を許される。潜水士の訓練校は黒人を認めないが100通以上の嘆願書を送って、無理を通しての訓練生となる。黒人ということで様々な嫌がらせを受けるが、それをものともせず実力をつけていく。
上官がロバートデニーロなんだけど、その上にまた指揮官がいてそいつが黒人絶対認めないサイアク野郎で試験を受けさせないようにデニーロに命令出したり、最後の最後まで妨害してくる。
海中でのパーツ組み立て実技が最終試験なんだけど、工具袋をナイフで思いっきり引き裂いて、部品や工具が海中でバラバラになるようにして海に沈める。身を切るように冷たい海に潜ること9時間31分、死ぬ直前の状態で引き上げると試験の課題は完成していた。ここで映画が終わってもいいくらいの内容だったが、ここからまだまだ物語は続き...
デニーロ演ずるサンデー曹長の話もカールブラシアに大きく影響を与えている。かつてはエキスパートで、任務に燃える特務曹長だったのが無理な人命救助をして空気塞栓症という、海に潜れない身体になってしまい、荒れて問題行動を起こしたり命令無視で降格処分。
訓練校の校長的ポジションで登場し、黒人嫌いでパイプふかして嫌がらせ、なんてイヤなヤローだ...と思っていたら、足切断したカールブラシアの前に現れて、励まし勇気づけ、最後のシーンなんかもう激しく感動した。
映画2本分くらいの濃い内容だった。
デ・ニーロやグッディングの演技もよかったのに残念。
1950年代、黒人はコックか雑用係にしかなれなかった海軍。人命救助を行っても勲章を受けたのは同僚の白人。仲間だけではなく教官(デ・ニーロ)からも迫害され続けるが、一番になるため努力するカール(グッディング)。最も大切なのは仲間の信頼であるのに大丈夫なのかと思わせるシーンも・・・
黒人初のマスターダイバー、片足切断の憂き目に遭いながらも現役復帰など、感動させるところはあるんだけれども感動できない。軍隊モノということもあるのだけれど、もっと純粋に軍隊から切り離して救助隊として描けば良かったのかもしれない。
迫真の演技で魅せる勇気と感動のドラマ
世界で初めて海軍の黒人ダイバーとなった人物の実話を映画化。
人種差別の風習が残る時代、どんなに罵られようと夢を諦めない主人公と、意地でもそれを諦めさせようとする鬼教官。
強い心で夢を掴み取るも、彼には非情にも過酷な運命が待ち受ける……
ロバート・デ・ニーロとキューバ・グッティングJr'の白熱の演技により、ラストシーンは感動の涙が溢れます。
諦めない心の強さと、周りの人々の感情の変化が感じられる本当に素晴らしい物語。
黒人初のダイバーになろうとする男の誇りと、二人の演技
総合:70点
ストーリー: 70
キャスト: 80
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 65
未開の地に踏み込むというのはとても苦難の道である。まして敵意を隠そうともしない四面楚歌の中、黒人がその能力を見せるというのは白人に喧嘩を売る行為である。黒人の分際で白人の領域に入ってきてはいけないのである。黒人は黒人の世界でおとなしく白人の下でひっそりと生活をし、つまらない仕事をしながら細々と生活をしていればいいのだ。
それでも彼は諦めなかった。いわれのない差別と虐めを受け、当たり前のことをするにも普通以上の忍耐と努力を強いられる。敵はいても彼を守る者はなく、訓練を離れていても常に緊張を強いられる生活。時には落ち込み憤慨しつつも、それでも己を信じて自分を貫き通そうとする姿に共感する。誇り高い男の生き様である。
嫌味ないけすかない教官のデ・ニーロ演じるサンデーと、困難に負けず自分の能力を証明しようとする開拓者のキューバ・グッディング・ジュニア演じるブラシアの演技が光る。本来は黒人嫌いの差別主義者のサンデーですら認めざる得なかったブラシアの能力と精神力、そしてそこから芽生える信頼と友情も見せ場。
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