悪い種子のレビュー・感想・評価
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こりゃ衝撃作だわ……
子役がすごい。
三浦綾子の「氷点」を思い出したりもした。
あれも、殺人者の娘の話。
しかしあの小説はうまいところに落としたなと思う。
本作はただただ怖いからね…。
母親は、子供を殺して自殺しようとするし。演出もすごいのよ。
最後には天罰が降るわけだし、バッドシードを受け継いだだけの少女にこの仕打ちはね…。
ただ、DVDにはこのローダという少女を演じたパティー・マコーマックのインタビューが付いていて、それが素晴らしかった。
まず当時300回以上もこの「悪い種子」の舞台版を演じてたんだね。この映画ではその演技を抑えた方だって…舞台版はどんだけ凄かったのさ。それと、共演した役者陣との思い出も良かった。特に女性陣の乳母役や死んだ子の母親役との交流が印象的だった。それとナンシー・ケリーとの相性も素晴らしかった。
もちろん、この映画に出演するにあたっては、いい思いをしているだけではないだろうに、過去を振り返って今は良かったと思う、と言っていて本作をいかに大事にしてきたのかがわかる振り返りインタビューだった。
出演者の紹介が・・・
「哀愁」のマーヴィン・ルロイ監督作品
子どもの頃に読んだ
少女漫画家
わたなべまさこさんの
「聖(セイント)ロザリンド」が甦ります。
この映画の
オマージュかも知れませんね。
無邪気な少女が、
欲しい物を手にする為
殺人を犯してしまうという・・・
残酷で恐ろしいテーマ。
我が娘の行動に
気が付いた母親クリスティーンが
調査をしてゆくと
自分の生みの母親が
連続殺人犯だった事がわかり
その「悪い種子」の遺伝子が
隔世遺伝したのではないかと
自分を責めたり
母親の苦悩も描かれていて
衝撃のラストへ・・・。
8歳のローダを演じる
パティ・マコーマックの
可愛い笑顔と癇癪を起した時の
ギャップが凄くてびっくりです。
本編終了後に
登場人物(キャスト)達が
舞台劇を観た後の挨拶のように
順に挨拶に出てくるのも驚きでした。
そして、映画のラストを
口外しないようにとの
メッセージも表示されます。
「シックス・センス」
「パッセンジャーズ」等
結末は口外しないでという映画も
多いですね(´▽`)
その元祖的作品でしょうか・・・
とにかく、白黒映画の
名作のひとつだと思いました。
男の子を亡くした母親の哀しみや
命の重さ 大切さも
考えさせられる作品。
夏に最適(笑)これは全く前情報見なくて良かった。少女は殺人を犯した...
夏に最適(笑)これは全く前情報見なくて良かった。少女は殺人を犯したのか否か。それで終盤までドキドキできた。ちょっとでも前情報を見てたらこの興奮は味わえなかった。
少女を演じる子役(パティ・マコーマック)がとにかく素晴らしい。
元は舞台劇らしく、結末は舞台とは違っているらしい。私的には舞台の結末の方が良いと思うが、どうやら時代がそれを許さなかったようだ。
元は舞台劇らしいエンディング、そして結末の緘口依頼のテロップ、斬新で驚きました。
後の時代に多大な影響を与えた本作、こいつは見るべきでしょう。
もっと救いなく描くか、もっと深層心理の怖さを描くか、ちょっと中途半端な感じ
自分を形成するのは、先天的(遺伝等)と後天的(環境、経験)と思っているが、
ローダまでは行かないにしても、我が子に末恐ろしさを感じるケースは往々にして
あると思う。そこから矯正するのは難しい。
子供を亡き者にして、自分も死のうという解決は、他の映画やドラマでもよくある。
突然の落雷のラストは驚いた。
そして登場人物を紹介していくエンディングも初めてみた。
出生の秘密
ナンシーケリー扮するクリスティーンは、遠足時に上がった水死体の男子の話をラジオで聞いてパティマコーミック扮する娘のローダが心配になってローダと話をした。しかしローダは極めて平然としていたが、その男子を最後に見たのはローダで男子が持っていてローダが欲しがっていた金メダルが無くなったと担任教師がクリスティーンに説明した。
母親からすると信じている娘が少しでも疑われてはたまらない。とはいえ話題の金メダルを娘の宝物箱から見つけてしまった母親はどうする? 実はクリスティーンに出生の秘密があった。遺伝が孫にまで影響するものなのか? 悪い種子とはよくぞ付けた題名だね。
マーヴィン・ルロイ監督らしからぬ題材への違和感が…
若干の長尺感と、
娘の問題の原因を遺伝と断じるかの前提に
共感するにはなかなか辛いものがあったが、
娘の悪い遺伝子は己にあると確信した母親が、自分と娘にどう後始末を付けるのかと
最後まで興味深く鑑賞した。
だから、母親が娘に睡眠薬を飲ませるシーン
では「ヒトラー~最期の12日間~」を
思い出し、母娘共にの死で決着なのか、
或いは母親だけが亡くなり、悪い種子だけが
残るという将来へのネガティブな余韻で
終了のどちらかだろうと見入った。
しかし、ラスト、娘だけを天が裁くとは
見事に予想を裏切られる結末だった。
評価を上げられなかったのは、
冒頭の観点や、「哀愁」や「心の旅路」の
マーヴィン・ルロイ監督らしからぬ題材への
違和感故だったかも知れない。
サイコパスを描いた映画は数あれど、この時代から存在していたとは驚き...
サイコパスを描いた映画は数あれど、この時代から存在していたとは驚き。そもそもサイコパスっていう概念があったかどうかも分からないけど、その特徴は今定義されているものと変わりない。子役の演技力もすごすぎ。
今でも使えるのか、この題名
一人娘が実はサイコパスなのを知ってしまった母親は悩む。
相談したい夫は長期出張中で頼りにならない。
エンディングは初めて見るパターンだった。
遺伝子の恐怖!
NHK BSプレミアムにて。つまらなかったら寝ようと思ったのに、最後まで見ちゃった。今ならこういう設定は珍しくないけど、これ元祖なのかな。当時は刺激的だったのでは。
子役がキモ。ルックスもいい。金髪で乱れのない三つ編みに、隙のないファッション。笑顔と怒った顔のギャップもしびれる。眉根を寄せた時の、顔の立体感すごかった。劇団系というか、もともと舞台らしいので、くっきりした演技だった。
モニカおばさん、セーフだったね。危ないところだったよ。怖や怖や。
サイコホラーの教科書にしたいくらいの傑作
1957年公開作品なんだと。63年前ですよ。いや、これ無茶苦茶オモロイ。と言うか怖い。¥199- なら安いもんだし。もう、今、安くて面白い映画探索に嵌ってます。
サイコパス遺伝子の存在の可能性は、医学的には否定。と言うか、倫理上、否定されていると理解してます。が、犯罪心理学的な見地からは「高い確率で肯定」。反社会性の高い子供の場合、その遺伝率は80%を超えると言う、某研究機関の報告あり。いややなぁ、そんなん、遺伝したら。と言うか、サイコパス遺伝子なんてのがあったとしたら。色々とめんどくさそうで。でも、この映画のネタバレと言うか、クライマックスは、その問題に根差しています。
2018年にマッケンナ・グレイスちゃんでリメイクされたドラマがあるそうですが、そちらも観たくなりました。
1957年当時、悪が蔓延る結末は、米国内の法律上禁止されておりました。でね、話はそれるけど、ジョン・ウェイン主演の西部劇は、必ず白人がインディアンを撃退して終わるんですよ。それはオカシイやろ、って思うんですけどね。インディアンが白人の迫害を逃れて生き残るとか、白人を追い返すとか、法的に禁じられてたってことんか?なんてね。
悪しき遺伝子を抹殺するため、母親は心中の途を選ぶが、彼女だけがあの世に召され娘は生き残る。この映画も、ラストは「悪」たる8歳のサイコパス少女に天罰が下ります。今、リメイクされるとしたら、少女だけが生き残り無邪気な殺人は繰り返されるのでした、ってなるんかなぁ。マッケンナ・グレースで?イヤ、そっちんが見たいわ。
ほぼ少女自宅だけを舞台にして繰り広げられるサイコホラー。脚本と演技だけで、この不穏な怖さに満ちた世界感を作り出せるなんて、素晴らしい。いや、コンピューターによる映像化技術に頼り切ってる製作者、慣れ切った私達にとって、Discover Classicです。見る価値ありです。やっぱり、ストーリーと脚本と演技を大切にしなきゃ、な訳ですね。
良かった。とっても。
目からうろこが、落ちて落ちて落ちまくった。
☆は先人へのリスペクトです。
ブロードウェイのほうが面白いかも!?
ヒッチコックの「サイコ(1960)」が映画史に残るサイコ・スリラー系の映画としたら、サイコキラーなんて言う言葉が存在したのかどうかわからない、その3年前には、子供の連続殺人者を「心の旅路(1942)」や「哀愁(1940)」、その他には、製作者としてミュージカル映画「オズの魔法使い(1939)」などをこの世に送り出したマービン・ルロイがこの映画の監督を務めている、その当時としたら画期的というか、題材が子供の連続殺人者を扱っている、1950年代、まだまだコケージョンとしたら理想的な家庭を築こうとしていた時代に逆行をするような内容となっているためか、エンドマークの後に予想もできない終わり方をしている。その上、原作とは異なった終わり方をしているので、個人的には“甘っちょろい”“大衆に迎合した”映画にしていると手厳しいことをいくら50年代のアメリカが背景にあったとしても受け入れられないところが見え隠れする。
You have just seen a motion picture whose theme
dare to be startlingly different.
May we ask that you do not divulge the unusual
climax of this story.
Thank you.
まるで映画「エクソシスト(1974)」のような宣伝文句もエンドロール前に流している。しかしながらこの映画は、ある意味、後世に残る、数々のホラー映画やスリラー映画に影響を与えた主人公ローダの母親クリスティーンの精神的重圧をゆっくりと描いているところも散見する。
ほとんど家の中と裏庭しか設定場所が出てこないので、シナリオ自体、まるでシアターで劇を見ている観客の一人になったような気分になり、しかも、この映画はローダが直接殺人を犯すシーンは一切出てこない紳士的な部分もあり、あくまでも殺人を犯したと思えるのは、登場人物の伝聞でしか、すぎない。
2018年には、この映画のリメイク版がTV映画として復活しているが主人公の名前がローダからエマに変わっているのは意味が分からないところもあるが、エマ役には最近公開された「アナベル 死霊博物館(2019)」や「ギフト(2017)」に出演された天才子役、マッケナ・グレイスが務めている。
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